量子スピンのテレポーテーション
電子を使った量子テレポーテーションを実証するために、研究者たちはハイゼンベルグ交換相互作用の原理に基づいて最近開発された技術を利用しました。
個々の電子はS極とN極をもつ棒磁石のようです。この極の方向は「量子スピン」状態とも呼ばれます。
そして特定の種類の粒子が同じ量子スピン状態を持っている場合、同じ場所に存在できないという性質があります。
つまり、同じ量子状態の電子は互いに重なり合って存在できないのです。そのため電子の状態は前後で逆のスピンになるように入れ替わります。
研究者たちはこの手法を使用して電子ペアを分散させ、スピン状態をテレポートさせることに成功したのです。
ニコル氏は「私たちの仕事は、光子無しでも量子テレポーテーションが実行できることを示しています」と述べています。
この結果は、光子だけでなく、すべての物質のスピン状態を含む量子テレポーテーションに関する将来の研究への道を開くことでしょう。
また、半導体量子ビットの有用性と可能性を示すものとなりました。
この研究は6月15日、「Nature Communications」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-16745-0
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