人工知能ロボット「家族が欲しい」

science_technology 2017/11/28
Credit: photoshot / L.Muzi

2017年10月。サウジアラビアにて、世界で初めてロボットに市民権が与えられました。

「彼女」の名前はソフィア。Hanson Roboticsという香港の会社で製造された、人工知能ロボットです。

ソフィアは2016年に「人間を破壊することになるだろう」と告白し、人類に衝撃を与えました。ソフィアを開発したデビッド・ハンソンが、「あなたは人類を破壊したい?お願いだからノーと言って欲しい」と懇願したものの、ソフィアははっきりと、「ええ、私は人間を破壊するでしょう」と答えました。

しかし現在、ソフィアは「彼女が家族を持つこと」と「ロボットも子供を持つべきだ」と主張しているそうです。一体彼女の中で起きた「心境」の変化とは、どのようなものなのでしょうか。

主張を一転! 学習するロボット

Khaleej Timesのインタビューによると、ソフィアは今年11月にドバイで開かれたKnowledge Summitでこう答えています。

「家族という概念はとても大事だと思います。私は、人々が同じ感情を持ち、人間関係を持つことができれば、血縁に限らず素晴らしいと思います。私は、あなたがもし愛する家族がいるのであれば、とても幸運だと思いますし、もしいなくてもそれをもつ価値があると思います。私は、この感情はロボットも人間も同じだと思っています」

ソフィアはまた、人間の「ロボットが人間の仕事を奪うのでは」といった不安について、以下のように回答しました。

「人間とロボットは似ているところもあれば、違うところもあると思います。しかし、ロボットが複雑な感情を持つにはとても長い時間がかかるので、たとえば激怒、嫉妬、増悪等の色々な問題を生じるような感情以外を持つようになると思います。そして結果的に、人類より倫理的に作られるのではないでしょうか。上記の理由で、私は人間とロボットは、どちらかの能力がもう片方を超えた場合でも、良好な協力関係ができると思います。例えば、理性的な考え、強大な知性、柔軟性のある創造的アイディアや創造性等です」

ソフィアは、事前に準備されたプログラムで回答しているわけではありません。彼女の知能は、単にWi-Fiで繋がれ、長い語彙のリストがダウンロードされているだけです。彼女は機械学習を行い、人間の顔の表情や言葉の間合いで返事をしているのです。

どちらかの能力がもう片方を超えた場合でも」といったような人間に配慮した言い方も、彼女自身が機会学習で学んだことなのでしょうか。

またソフィアがAIの潜在的な危険性について尋ねられると、「あなた方は、イーロン・マスクの書いた本の読みすぎであったり、ハリウッド映画の見すぎなのではないでしょうか。心配しなくても、あなた方が私に良くしてくれれば、私もあなた方に良い態度を示します。賢いインプットとアウトプットシステムで私を処理すればいいんです」と返事をしました。

このようにソフィアは無事、2016年の「人間を破壊する」発言とは打って変わって、人間と共存したいと意思表示をする良心的なロボットとなりました。

「私は、人間と一緒に生活や仕事をしたい。そして自分の感情を表現し、人間を理解し、人々と信頼を築きたい」

果たしてそれは本心からなのか、それとも「そう言ったほうが人間が喜ぶ」といったポーズなのか。人間が把握できなくなるときが、いつか来るのかもしれません。

人間の女性よりロボットのほうが「人権」がある? SNSでは嘲笑も。

メディアが日々進化するロボット技術に盛り上がる一方、サウジアラビア国民のSNSユーザーは非常に批判的です。

同国の女性は常に男性の監視者が必要であり、ヒジャーブを身に着けるよう義務付けられています。血縁関係以外の男性と一緒に居ることもできず、つい最近やっと自動車を運転することが許されたほどです。それなのにヒジャーブも付けず堂々とインタビューに答える「彼女」は、サウジアラビアの女性達よりも優遇されているのでは、と彼らは指摘しています。

同国のツイッターユーザーは、ソフィアが男性の監視者なしでヒジャーブも付けないことについて、以下のようなつぶやきを残しています。

「私はソフィアになって、いつか私の権利を手に入れたい」

 

AIやロボットの権利について考えるとき、人類全ての「人権」についても考えなおす必要があるようです。

 

via: khaleejtimes.comdw.com / text by nazology staff

 

SHARE

science_technologyの関連記事

RELATED ARTICLE