火星の氷が張ったクレーター上を、飛んでいるかのように眺められる美映像

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Korolev crater./Credit:ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO
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  • 火星のクレーターを飛行機から眺めるようなフライオーバー画像が作成された
  • これは火星軌道上から観測を行う探査機「マーズ・エクスプレス」の撮影画像を元にしている

最近のiPhoneの地図アプリには、航空写真が立体表示される「Flyover(フライオーバー)」機能というものがあります。

フライオーバーはまるで空を飛んでいる気分が味わえる素敵な機能ですが、これを火星上で再現した画像が公開されました。

画像は欧州宇宙機関(ESA)の探査機「マーズ・エクスプレス」の撮影画像に基づいて作成されていて、まるで飛行機から火星を眺めているかのような映像が公開されています。

火星の上空を飛行したら

Flight over Korolev Crater on Mars./Credit:ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO

この動画は、火星軌道上から観測を行う探査機「マーズ・エクスプレス」の高解像度ステレオカメラ(HRSC)の画像を使って作成されています。

軌道上からの撮影なので、クレーターの画像は通常まっすぐ下を見下ろすような視点で撮影されています。

この画像に、HRSCのステレオチャンネルに記録されている地形情報を組み合わせることで、3次元の風景を生成することができます。

すると、まるで飛行機で飛びながらさまざまな角度でクレーターを眺めているような立体的な景色の動画が作り出せるのです。

火星のコロリョフ・クレーター

コロリョフクレーターの位置。/Credit:ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO

コロリョフクレーターは、火星にある幅82kmに及ぶ巨大クレーターです。

北極冠に近い場所にあり、その深さは2kmもあり、一年を通して水氷に覆われています

氷上の空気は冷えて重く、熱伝導が悪い状態のため、このクレーターの氷は恒久的に安定した状態で保存され、加熱されて昇華することがありません。

これは極点以外で最大の氷が保存された貯水池です。

ちなみに、クレーターの名前は宇宙技術の父と言われるロシア人のロケット技術者、セルゲイ・パブロビッチ・コロリョフ(1907-1966)の名にちなんでいます。

コロリョフは、最初の人工衛星スプートニクや、ガガーリンの果たした最初の有人宇宙飛行の責任者だった人物です。

VRの宇宙旅行

Credit:depositphotos

アプリのフライオーバーはVRモードが追加されたりしています。

こうした技術の進歩や、調査データの充実が達成されれば、行ったことのない惑星をまるで空を飛ぶように自由に眺めて回るVR体験もできるようになるかもしれません。

何千万も使って宇宙へ行くだけが宇宙旅行ではなくなるかもしれませんね。

高度30kmまで飛ぶ宇宙気球が開発される。 手軽に「青い地球」を見られる時代が来る

reference: ESA,universetoday/ written by KAIN
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