海を渡った南米の先住民と「ポリネシア人」が1200年頃に接触していた! 遺伝子解析から判明

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Credit: Ruben Ramos-Mendoza

オーストラリア東に浮かぶ「ポリネシア」は、北のハワイ諸島・西のアオテアロア・東のイースター島を結んだ三角形の内側にある諸島の総称です。

ポリネシアの歴史文化の多くはいまだ謎に包まれており、研究者たちを魅了してやみません。

そして今回、米・スタンフォード大学の遺伝子研究により、新たな事実が判明しました。

なんとポリネシア人は、17世紀にヨーロッパ人が入植してくる数百年も前に、南米コロンビアの先住民と接触していたのです。

この結果は、以前から指摘されていた、南米とポリネシアの文化に類似点が多いことの証明になります。

1200年頃に出会っていた?

ポリネシア(紫)ミクロネシア(赤)メラネシア(青)/Credit: ja.wikipedia

研究では、800人以上のポリネシア人と南米の先住民からDNAを採取し、解析・比較しました。

その結果、両グループは、今から800年以上前の1200年頃に接触していた証拠が見つかっています。

特に、コロンビアの先住民とポリネシア東部のマルキーズ諸島の住民との間に強い接触が示唆されました。

これまでは、南米に最も近いイースター島が最初の接触点と予想されていましたが、遺伝子的にはマルキーズの方が近いようです。

遺伝子だけじゃない!ポリネシアに伝わる「サツマイモ」の謎

イースター島のモアイ像/Credit: ancient-origins

南米の先住民とポリネシア人との接触を証明するのは遺伝子だけではありません。両グループには文化的に類似する点がいくつもあります。

その最たるものが「サツマイモ」です。

サツマイモはもともと南アメリカと中央アメリカで栽培されていた作物でしたが、ヨーロッパ人の入植以前にもうひとつ別の場所で栽培されていたことが分かっています。

それがポリネシア諸島を含むオセアニアです。これは南米の先住民がポリネシア人にサツマイモを伝えた結果と考えられています。

その証拠に、サツマイモを示す言葉は、南米の先住民で「クマル(Kumar)」ポリネシアで「クマラ(Kumala)」と非常に似ているのです。

他にも植物の呼び方や、コロンビアとポリネシア東部で見つかった彫像に類似点が見られます。こうした文化が、両者の接触を何よりも雄弁に語っているのです。

どうやって接触した?

接触の方法については、南米の先住民が筏か舟をつくって海を横断した説が有力です。

これについては、ノルウェーの探検家トール・ヘイエルダール(1914〜2002)が可能であることを証明しています。

トール・ヘイエルダール/Credit: ja.wikipedia

ヘイエルダールとそのチームは、1947年に、南米原産の木材を使ってインカ帝国時代の船を模した「コンティキ号」を建造し、ペルーからイースター島への横断に挑戦しました。

出港から101日目、およそ7000キロの航海を経て、(イースター島ではないものの)ポリネシアに属するトゥアモトゥ諸島への漂着に成功したのです。

おそらくコロンビアの先住民も同様の方法で海に出たものと思われます。

ヨーロッパ人の入植が始まるまでは、南米人とポリネシア人は親しく付き合っていたのかもしれません。

研究の詳細は、7月8日付けで「Nature」に掲載されました。

Native American gene flow into Polynesia predating Easter Island settlement
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2487-2

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reference: sciencealertphysancient-origins / written by くらのすけ
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