「サイバーパンク」な次世代アメフト用ヘルメットが登場! 流動学を衝撃吸収材に応用

product 2020/07/09

 

Credit:rheonlabs
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  • 次世代アメフト用ヘルメット「Xenith Shadow XR」が開発される
  • 使用されているRHEONセルは衝撃を受けることで瞬時に硬化し、頭部を保護する
  • NFLからの資金提供により、更なる改良が期待できる

アメリカンフットボール(アメフト)は強烈なぶつかり合いが伴う競技です。そのため全身のプロテクターは必須であり、特に頭部を守るヘルメットには高度な保護機能が求められます。

こうした背景のなか、7月1日、ナショナルフットボールリーグ(NFL)は、アメフト用品メーカー「Xenith」とプロテクターメーカー「RHEON LABS」から提出されたプロジェクトに412,000ドルの資金を提供すると発表しました。

このプロジェクトではアメフト用の新しいヘルメットが提案されており、提出された次世代ヘルメット「Xenith Shadow XR」は非常に高い衝撃吸収機能をもっています。

RHEONテクノロジー

RHEONテクノロジーとは、RHEON LABSが特許を取得している材料テクノロジーの名称です。これには材料、形状、製造技術が含まれています。

このRHEON(レオン)という名称は、物質の変形及び流動に関する学問分野である流動学(レオロジー)から来ているとのこと。

(左)Xenith×RHEON LABS (右)他社製品/Credit:rheonlabs

一部の材料には「ひずみ速度依存性」と呼ばれる性質があります。

これは、力が加えられると材料にひずみが生じ、この時の「変形の速度に応じて材料がより強く、より硬くなる」というものです。

例えばプラスチックなども、ある程度「ひずみ速度依存性」を示します。

RHEONテクノロジーによって作られた材料「RHEONセル」は、この挙動を最大化するためにさまざまなポリマーが配合されています。

これにより、自然な状態では柔らかく順応性がありますが、衝撃が加わると一時的に硬化します。

実際のRHEONセルは手で簡単に変形させられるほど柔らかいものです。

Credit:rheonlabs

しかし、ハンマーなどによる瞬間的ひずみは硬化を誘発し、その下にある脆い物体を保護します。

Credit:rheonlabs

次世代アメフト用ヘルメット「Xenith Shadow XR」

Xenithは2006年に設立されたアメフト用品メーカーです。

アメフトの世界では、タックルの衝撃により脳に大きなダメージを負うことが多く、脳障害は後遺症として残り続けます。

Xenithを設立したヴィン・フェラーラ氏も元アメフト選手であり頭部の怪我を経験しました。

そのため、Xenithではより安全なヘルメット作成に力を入れており、その製品は世界中の何十万ものプレイヤーから愛されています。

そして彼らが新しく目を付けたのがRHEONテクノロジーです。

Credit:rheonlabs

RHEONが利用されたヘルメットは、普段は柔軟で装着性が良く、ヘルメットに必要な通気性も確保できます。

しかし衝撃を受けることで材料の硬度が変化し、衝撃から脳を守るのです。

Credit:rheonlabs

XenithとRHEON LABSの協力により、次世代アメフト用ヘルメット「Xenith Shadow XR」が開発され、そのプロトタイプはNFLから高い評価を得ることとなりました。

NFLからの資金提供により、今後更なる改良が期待できます。この進展は世界中のアメフト競技の安全性を高めていくものとなるでしょう。

この報告は7月1日、「RHEON LABS Blog」で公開されました。

NFL HEAD HEALTH CHALLENGE: GRANT WINNERS – RHEON X XENITH
https://rheonlabs.com/nfl-head-health-challenge-grant-winners/

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reference: rheonlabs / written by ナゾロジー編集部
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