- 次世代アメフト用ヘルメット「Xenith Shadow XR」が開発される
- 使用されているRHEONセルは衝撃を受けることで瞬時に硬化し、頭部を保護する
- NFLからの資金提供により、更なる改良が期待できる
アメリカンフットボール(アメフト)は強烈なぶつかり合いが伴う競技です。そのため全身のプロテクターは必須であり、特に頭部を守るヘルメットには高度な保護機能が求められます。
こうした背景のなか、7月1日、ナショナルフットボールリーグ(NFL)は、アメフト用品メーカー「Xenith」とプロテクターメーカー「RHEON LABS」から提出されたプロジェクトに412,000ドルの資金を提供すると発表しました。
このプロジェクトではアメフト用の新しいヘルメットが提案されており、提出された次世代ヘルメット「Xenith Shadow XR」は非常に高い衝撃吸収機能をもっています。
RHEONテクノロジー
RHEONテクノロジーとは、RHEON LABSが特許を取得している材料テクノロジーの名称です。これには材料、形状、製造技術が含まれています。
このRHEON(レオン)という名称は、物質の変形及び流動に関する学問分野である流動学(レオロジー)から来ているとのこと。
一部の材料には「ひずみ速度依存性」と呼ばれる性質があります。
これは、力が加えられると材料にひずみが生じ、この時の「変形の速度に応じて材料がより強く、より硬くなる」というものです。
例えばプラスチックなども、ある程度「ひずみ速度依存性」を示します。
RHEONテクノロジーによって作られた材料「RHEONセル」は、この挙動を最大化するためにさまざまなポリマーが配合されています。
これにより、自然な状態では柔らかく順応性がありますが、衝撃が加わると一時的に硬化します。
実際のRHEONセルは手で簡単に変形させられるほど柔らかいものです。
しかし、ハンマーなどによる瞬間的ひずみは硬化を誘発し、その下にある脆い物体を保護します。