人の歯は「約4億年前の古代魚」から進化したと判明! アゴ骨をもつ硬骨魚類の祖先を発見か

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「Acanthothoraci」のイメージ画/Credit: Jan Sovak
point
  • 人を含む硬骨魚類の歯は、約4億年前の古代魚から進化したことが判明
  • 硬骨魚類の歯は、新しい歯が古い歯の内側から生える特徴を持つ

スウェーデン・ウプサラ大学、英・ロンドン自然史博物館らの研究により、人の歯は約4億年前の古代魚に起源を持つことが明らかになりました。

研究では、板皮類(ばんぴるい)という太古の魚類・Acanthothoraciの化石が用いられています。

この化石は、100年ほど前にチェコのプラハ近郊で発見されたもので、岩の中に埋まっているせいで、これまで科学的な調査ができませんでした。

しかし今回は、世界で最も強力なX線光源を持つ「欧州シンクロトロン放射光研究所(ESRF)」のもと、化石を傷つけることなく、アゴ骨の分析に成功しています。

人の歯の起源はどこまで遡る?

アゴ骨を持つ現生の生物には、いくつかの共通するパターンがあります。

例えば、新しい歯は古い歯の内側に生え、それが外側に移動することで古い歯と入れ替わる点です。ただ人においては、新しい歯が古い歯の下から生えるように修正されています。

こうした特徴を持つ生物群を「硬骨魚類」と呼びます。硬骨魚類は、骨格の大部分が硬い骨からできた生物のことで、人を含む哺乳類や魚類、鳥類、爬虫類、両生類などはすべてこれに属します。

このような異種間に共通する歯の特徴はどこに起源を持つのか、これまで大きな謎となっていました。

そこで研究チームは、プラハで見つかった4億年前の古代魚・Acanthothoraciのアゴ骨に焦点を当てています。

歯の始まりは4億年前にあり?

「欧州シンクロトロン放射光研究所」でのX線分析の様子/Credit: Boris Ekrt

研究では、先述した高性能X線装置を用いて、岩に埋まったアゴ骨を3Dで視覚化しました。それにより、歯の象牙質(エナメル質の下にある層)やその内部に保存された細胞、歯の成長パターンまで明らかになっています。

その結果、古代魚の歯は、現生の硬骨魚類と同じく、アゴ骨から生えていました。

他にも、新しい歯が古い歯の内側から生える特徴が確認され、Acanthothoraciこそが、人を含む硬骨魚類の祖先であることを確固たるものにしています。

というのも、Acanthothoraciと同時代に生きた他の古代魚は、古い歯の外側から新しい歯が生えていたからです。また、Acanthothoraciのアゴ骨は、私たちと同じく口の先端にあったのに対し、他の古代魚はもっと内奥に位置していました。

このことから、現生の硬骨魚類は、Acanthothoraciの歯の特徴を代々受け継いでいることが伺えます。

古代魚「Acanthothoraci」のイメージ画/Credit: en.wikipedia

研究主任のペル・アールバーグ氏(ウプサラ大学)は「アゴ骨を持つ約6万種の生物はすべて、この古代魚の子孫であり、私たちの歯もそこから進化したのでしょう」と話します。

板皮類は、アゴ骨を持った地球最初の生物と言われており、現生生物の歯は、4億年前に始まっているのかもしれません。

研究の詳細は、7月10日付けで「Science」に掲載されています。

Marginal dentition and multiple dermal jawbones as the ancestral condition of jawed vertebrates
https://science.sciencemag.org/content/369/6500/211

ジンベイザメの目は「3000本の細かな歯」で覆われていた! 歯が装甲となって目を保護する(日本) 

reference: phys / written by くらのすけ
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