大型本をリボルバーのように装填して読む「ブックホイール」を再現! これがHTMLやブラウザタブの原型か

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Credit:Mireya Salinas/RIT
point
  • 16世紀の発明品、本を装填・回転させて読む「ブックホイール」を再現
  • 8つの書見台が埋め込まれており、資料を参照するのに役立つ
  • 現在のブラウザタブの祖先とも言える装置

ある資料を読んでいるときに、同時に他の資料を参照したくなる場合があるものです。今日では、それらはハイパーリンクやブラウザタブによって解決できます。

しかし、インターネットの無い時代では複数の本を同時に開かなければいけませんでした。そのため16世紀には1つの解決策として、複数の本を参照するための装置「ブックホイール」が設計されていました。

米国ロンチェスター工科大学(RIT)の学生であるマット・ナイグレン氏とマハラ・アブドゥルカウィ氏はブックホイールを現代に再現しています。

本を装填、回転させて読む「ブックホイール」

16世紀のイタリア軍事技術者アゴスティーノ・ラメリ氏は、ルネッサンス期にクレーン、給水ポンプ、穀倉機など、多くの機械仕掛けを設計してきました。

その中には、「ブックホイール」も含まれています。

Credit:(左)Common/Wikipedia , (右)Mireya Salinas/RIT

ブックホイールとは、角度の付いた書見台が車輪に複数ついており、それぞれに開いた本を置くことで一度に複数の本を読めるというものです。

車輪を回転させることで、瞬時に目の前に本を持ってくることができるので、参照用にはピッタリでしょう。

これにより、開いた本で机の上が占領されることもなく、分厚くて重い本を並べ替える必要もないので、資料を読むことに没頭できるかもしれませんね。

加えて、リボルバーのような外見とシステムが、多くの人々の心をくすぐってきました。

ラメリ氏自身も、「これは美しく独創的な機械であり、勉強を楽しむ人、特に痛風に悩まされている人には非常に便利である」と述べています。

ラメリ氏が実際にブックホイールを製作することはありませんでしたが、現代になってRITのナイグレン氏とアブドゥルカウィ氏が再現しました。

ブックホイールの芸術的な構造

彼らはイタリア人エンジニアのイラストを研究することから始め、ヨーロッパ産のブナやホワイトオークなど、歴史的にも正確な材料を調達。

その後、コンピュータモデリングなどの近代的な技術や工具を利用して、当時の構造を忠実に再現したのです。

Credit:Courtesy Matt Nygren and Ian Kurtz/RIT

ブックホイールの重量は約270kgであり、8冊の本を入れておくことが可能

使用者は座ったままで車輪を回転させることができます。ちなみに、意図しない動きをしないよう車輪の重さは慎重に調整されているようです。

このブックホイールには複雑な環状歯車システムが採用されていますが、実はこのシステムは「必要以上に複雑」であり、実際はもっと簡単な仕組みに置き換えることもできるそうです。

例えば、観覧車のようなシステムの方がシンプルに目的を達成できるでしょう。

また中世後期の人々は、開いた本を水平面に沿って回転させるターンテーブルを使用していました。

そのためナイグレン氏によると、「ブックホイールは実用的というよりも、贅沢なもの」とのこと。

ブックホイールは歴史あるブラウザタブ?

Credit:depositphotos

ちなみに、このような書見台の発案は、「資料を相互参照する必要性」の高まりに応えたものだという意見もあります。

いずれにせよ、ブックホイールシステム(1つの場所に座ったまま複数の情報を扱うこと)の先にあるものが、現代のハイパーリンクや検索エンジン、ブラウザタブだと言えるでしょう。

そのため、ナイグレン氏はこの装置が歴史的に重要であることを認めています。

しかし、「私はこれを購入してリビングルームに置くべきだとは思いません。現代では、同じ目的を果たすもっと良いツールがあります」とも述べています。

もちろん、彼が「これは確かに人目を引くものであり、本を保管するための最もファンシーな方法の1つです」と付け加えているように、インテリアとしての価値は高く、図書館のオブジェクトなどにはピッタリかもしれませんね。

利便性の追求、歴史、芸術性などが詰まったブックホイール。「ちょっと欲しい」と思った人も多いのでは?

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reference: atlasobscura / written by ナゾロジー編集部
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