皮膚に健康状態をえんぴつで書く「生体モニターシート」が開発中! 紙一枚でその日の体調が分かるようになるかも

technology 2020/07/15
Credit: University of Missouri
point
  • 紙と鉛筆を利用したバイオメディカルシートが開発中
  • 鉛筆に含まれる「黒鉛」が伝導体の働きをする
  • 自由に描いた模様がそのまま生体センサーになる

米・ミズーリ大学により、紙と鉛筆を利用した画期的なメディカルシートの開発が進んでいます。

メディカルシートは、皮膚上に貼り付けて健康状態をモニタリングするデバイスですが、従来のそれは仕組みが複雑かつ、製造コストが高くつくものがほとんどでした。

それに比べ、紙と鉛筆は安価で、どこでも簡単に手に入ります。また面白いのは、自分が好きに描いた模様がそのまま生体センサーとなることです。

一体、どのような仕組みなのでしょうか。

黒鉛が「伝導体」の代わりに

新たなメディカルシートは、鉛筆に含まれる「黒鉛(graphite)」の伝導性質を応用しています。

研究チームは、開発に先立って、鉛筆の芯の90%以上が黒鉛でできていれば、模様を描くときに、紙との摩擦から生じるエネルギーを伝導できることを発見しました。

実際に、黒鉛が伝導体となってLED電球を点灯させる様子がこちらです。

 

研究では、黒鉛の含有率が93%のときに最良の結果が得られています。自由に描いた模様が、そのまま電極や伝導性トレースのような働きをするのです。

一方で、紙は柔軟性のおかげで皮膚に貼り付けやすく、紙面に生体適合性のスプレー式粘着剤を散布することで密着性を高めます。

水にも溶けて処理も簡単

メディカルシートは、人体に関する幅広い生体情報をリアルタイムかつ高忠実度でチェックできる優れもの。それは材料が紙と鉛筆に変わっても同じことです。

現時点ではまだ実現していませんが、紙と鉛筆により様々な生体モニタリングが可能と思われます。

例えば、体温や生体電位を計る「生体物理センサー」、汗の尿酸やブドウ糖を計る「汗センサー」、睡眠サイクルを計る「睡眠センサー」、熱刺激に対する痛覚過敏度など計る「熱刺激センサー」などです。

Credit: pnas

研究チームのZheng Yan氏は「将来的には、各家庭で手軽にできるヘルスケアキットとして使えますし、紙と鉛筆という馴染みあるものを使うことで、学校教育にも組み込むことが可能でしょう」と述べています。

さらに、電子機器を用いたメディカルデバイスの多くが処理困難であるのに比べ、使用される紙は水溶性であるため、水に溶かして簡単に分解できます。

チームは今後、デバイスの改良を進め、商業化に向けた実践的なテストを行っていく予定です。

研究の詳細は、7月13日付けで「PNAS」に掲載されました。

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reference: techexploristsciencedaily / written by くらのすけ
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