最も黒い深海魚は、光の吸収率が「99.96%」に達すると判明! ベンタブラックとほぼ同じ黒さ

animals_plants 2020/07/17

ミツマタヤリウオ(Idiacanthus antrostomus)

光の届かない深海は、うまく隠れたものが生き残れる世界です。

深海魚の多くは、活動性が低いため、天敵に見つかるとまず生き残れません。そのため、深海魚には、光の大部分を吸収するほど皮膚を黒色化させた種が存在します。

今回、アメリカのデューク大学とスミソニアン国立自然史博物館の研究チームは、黒色皮膚を持つ深海魚を捕獲して、光の吸収率・反射率を調べました。

その結果、生物界でもトップクラスの黒さを誇っていたことが判明しています。

光の吸収率、驚異の99.96%!

研究チームは、カリフォルニア州・モントレー湾とメキシコ湾で捕獲した黒色の深海魚18種、計40匹を調べました。分光計を用いて、それぞれの魚がどれだけ光を反射、吸収するかを測定しています。

その結果、実に16種の深海魚が0.5%以下の反射率、つまり99.5%の吸収率にまで達していました。残りの2種も0.6%の反射率に留まっています。

ミツマタヤリウオ
ミツマタヤリウオ/Credit:Karen Osborn, Smithsonian

最も黒いアンコウ類では、わずか0.04%の反射率、99.96%の吸収率を記録していました。

これは間違いなく、生物界で一二を争う黒さであり、匹敵するのはパプアニューギニアに生息するフウチョウくらいしかいません。

フウチョウ(パプアニューギニア)/Credit: natgeo

黒さを最大化させる「メラノソーム」を保有

黒さの秘密について調べてみると、これらの魚は、黒色色素が詰まった「メラノソーム」という細胞小器官を保有することが分かりました。

皮膚の色は「メラニン」という色素によって作られ、その量が多ければ多いほど黒さは増します。そのメラニンが詰まったものが、メラノソームです。

深海魚では、メラノソームが皮膚表面に配置されているおかげで、メラニンの生産量を最大化され、光の反射・吸収率が高くなっていました。

カブトウオ(Poromitra crassiceps)

深海には、ヘッドランプのような生物発光を駆使して獲物をハントする魚もいますが、黒色魚の皮膚は、こうした生物発光の光も吸収するため、簡単には見つかりません。

中には、超黒色の皮膚に加え、生物発光の能力も持つズルい深海魚もいます。放った光は自らの皮膚に吸収されるため、光だけがボンヤリ輝いて見え、それにつられて獲物が不用意に寄ってしまうのです。

まさに天から二物を授かった魚と言えるでしょう。

オニキンメ(Anoplogaster cornuta)/Credit: Karen Osborn, Smithsonian

研究主任のカレン・オズボーン氏は「深海魚の皮膚構造を模倣することで、安価かつ高性能な超黒色材を作ることが可能」と話しています。

研究の詳細は、7月16日付けで「Current Biology」に掲載されました。

吸い込まれそう。光吸収率99.2%の水性アクリル塗料「黒色無双」がAmazonで販売開始

reference: sciencealertscitechdaily / written by くらのすけ
みなさんのおかげでナゾロジーの記事が「Googleニュース」で読めるようになりました!
Google ニュースを使えば、ナゾロジーの記事はもちろん国内外のニュースをまとめて見られて便利です。
ボタンからダウンロード後は、ぜひフォローよろしくおねがいします。

Google Play で手に入れよう
apple store

あわせて読みたい

SHARE

TAG