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失った手足が痛む「幻肢痛」を脳トレで軽減させることに成功

2020.07.17 Friday
point
  • 肢切断者の多くが、失われた肢の痛みを感じる「幻肢痛」に悩まされている
  • 現在治療法のないこの症例に、新たな研究は関連する脳活動を訓練して軽減させる治療法を開発した
  • この手法は、短期間でも効果を発揮し除痛効果が維持できる

なんらかの事故や病気により手足を切断で失ったり完全に麻痺してしまった患者の大多数が、失った身体がまだ存在するかのように感じる「幻肢」感覚を経験しているといいます。

そして、この症例の50%から80%は痛みとして感じる「幻肢痛(ファントムペイン)」です。

この幻の痛みは鎮痛剤などで抑えることができず、非常に強い痛みとして感じる場合もあるため、患者が日常生活を送る際の障害となっています

そしてこの幻肢痛は未だ原因が不明で、治療法が確立されていません

一説では、切断された四肢を制御するために使用されていた脳の領域が、四肢の精神的イメージと強く関連している場合に発生すると言われています。

そこで大阪大学の研究チームは、失った肢と脳の関係を弱める脳領域の訓練を行うことで、幻肢痛を抑える方法を開発しました。

鍵となったのは、BCIというロボット義手を制御する技術です。

これまでの幻肢痛の治療法

幻肢痛の原因は、手足を失ったことに対して、脳が正しく適応できていないためだと考えられています。

そこで、これまで取られてきた治療法の1つが鏡療法と呼ばれるものです。

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幻肢痛治療法の1つ鏡療法。/Credit:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

これは鏡を使って健常な手足を映し、失った手足が実在するかのように錯覚させるというものです。こうすることで、幻肢に関連した脳活動を強める訓練を行っていきます。

この治療法も一定の効果をあげていますが、すべての患者に効果が認められるわけではなく、また効果も一時的な場合が多いため、完全に確立された治療法ではありません。

また最近の研究では、幻肢に関連する脳活動を強めてしまうと、幻肢痛も強くなるということが示されていて、鏡療法のメカニズムには疑問が生じています

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