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鳥肌が立つ仕組みの研究からマウスを「発毛」させることに成功。 鳥肌と発毛の関係とは?

2020.07.22 Wednesday
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神経伝達物質を注射した部位から勢いよく毛がはえてきた/Credit:Cell
point
  • 毛根にある幹細胞がなぜか神経細胞と接続しているのが発見された
  • 毛根にある幹細胞・筋肉・神経は鳥肌システムを形成する
  • 鳥肌システムに含まれる神経の伝達物質を皮膚に注射すると発毛した

鳥肌は厚い毛皮を持つ動物が、寒さをしのぐために立てているかもしれないと知られています。

しかし、わたしたち人間はそもそも毛皮がなく、あまり鳥肌から恩恵を受けているようには見えません。

では、なぜ人間でも鳥肌の仕組みが維持されているのでしょうか?

今回、ハーバード大学の研究者が、その理由を発見しました。

実は鳥肌システムは単なる寒さへの反応だけではなく、発毛にもかかわっていたのです。

実験によって、鳥肌と発毛という全く別件だと考えられていた現象が、裏で連携していることが判明しました。

鳥肌が立つ仕組みを活性化させる物質を皮膚に注射されたマウスは、裸の状態から21日ほどで上の図のようにフサフサの毛を取り戻したのです。

しかしなぜ、研究者は鳥肌と発毛の関連性に気づくことができたのでしょうか?

幹細胞と神経の謎の接続が発見される

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神経によって制御される幹細胞の存在は珍しい/Credit:Cell

研究者は元々は、外部環境が幹細胞に与える影響を調べていました。そのとき、特に目をつけていたのが皮膚だったとのこと。

皮膚は体と外界の境界に位置し、皮膚の幹細胞を調べることで、外部環境からの影響を測ることができると考えたからです。

そこで研究者は既存のものより高精度の電子顕微鏡を使い、改めて皮膚を調べなおしました。

すると、意外な事実が発見されました。

毛根にある幹細胞(毛包幹細胞)がどういうわけか、神経と接続していたのです。

毛穴の周囲の筋肉と神経の接続ならば、鳥肌を立てるために必要だと理解できます。

しかし動きもしない幹細胞に神経細胞が接続されている理由は全く説明できませんでした。

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