- ツバメのように羽ばたくドローンが開発される。鳥型ドローンでは難しいホバリングも可能に
- ドローンの重量はわずか26グラムであり、高いエネルギー効率を誇る
- 植物や人を傷つけにくいため、プロペラ型ドローンが難しい環境でも活躍できる
近年、ドローンの開発や使用は急速に広まっています。その中で最も一般的なドローンと言えば、4つのプロペラによってホバリングするクアッドコプターでしょう。
一方、鳥に近い動作で飛行するドローンも開発されています。
シンガポール国立大学機械工学科のヤオウェイ・チン博士は、シンガポール、オーストラリア、中国、台湾からなる国際的なエンジニアチームによって、羽ばたきで飛行やホバリングが可能なドローンを開発しました。
ドローンの進化
従来のプロペラを利用した「クアッドコプター」ドローンは、ホバリング(空中停止)や上昇が得意な機体です。
しかし、プロペラを利用しているため、ある程度の重量と電力が必要になってきます。また、接触したときにプロペラの回転が植物や動物、人を傷つける恐れもありました。
こうした背景にあって、鳥類を模倣したドローンも開発されるようになっています。それら既存の鳥類型ドローンは、旋回や滑空、前方・後方飛行が可能です。
ただし、ホバリングや上昇機能は実現できておらず、安定性や使用用途に限界がありました。
この問題を克服するため、研究チームは世界最速の鳥類の1つであるアマツバメ(swift)の飛行を模倣しました。
これにより、羽ばたきによって前進するだけでなく、素早く曲がったりホバリングしたり上昇したりすることが可能になったのです。