太陽系のように「惑星が恒星を周回している姿」が初めて撮影される

space 2020/07/26

2つの巨大な系外惑星を伴う星TYC 8998-760-1の姿。星を周回する複数の星が撮影されたのは初めて。/Credit:ESO/Bohn et al.
point
  • 太陽系以外の星系の姿が撮影された
  • 惑星は自ら光らないため、系外惑星は食を利用するなど間接的な観測が一般的
  • 複数の惑星が恒星の周りを周回する星系の姿が直接観測されたのはこれが初めて

最近の天文学関連のニュースでは、太陽系以外の惑星の話題や地球によく似た惑星を発見という話題をよく見かけますが、こうした系外惑星は、実は地球から見えているわけではありません。

惑星は恒星と異なり自ら輝くことができません。太陽系の惑星が観測できるのは太陽の光を反射しているからです。

明るい恒星の近くにある微かな光を、別星系から捉えるというのは非常に困難です。

しかし、欧州南天天文台の超大型望遠鏡VLTは、2つの巨大惑星が若い太陽を周回する別星系の姿を撮影することに成功しました。

星を周回する複数の惑星が直接観測されたのはこれが初めてのことです。

光らない惑星の直接観測

これまで天文学者たちは、銀河内に数千の惑星を発見していますが、それらは間接的な検出にとどまっていました。

惑星の検出には、恒星の前を惑星が横切ることで生まれる光の変化を検出するトランジット法や、惑星の重力の影響で主星(太陽)の位置のズレを検出するドップラ-分光法が中心です。

ドップラー分光法(左)。トランジット法(右)。/Credit:国立天文台,T.M.Brown 2003, Nature, 421, 488,天文学辞典

これまで直接観測された星系は2つしかなく、それらは非常に太陽に近い位置を回るホット・ジュピターという種類の惑星で、私たちの太陽系とは大きく様子が異なっています。

複数の惑星が、太陽の周りを回っているという、私たちの太陽系とよく似た星系の様子を直接観測し画像にしたという例は、これまでなかったのです。

しかし、直接見て観測するということは非常に重要です。系外惑星の観測でもっとも関心が寄せられる、惑星が生命を生み出せるような環境かを見極める際にも、それは役立つのです。

人類初の別星系撮影

恒星「TYC 8998-760-1」の持つ2つの惑星の姿。中央寄りの光が「TYC 8998-760-1b」、右下が「TYC 8998-760-1c」。Credit:ESO/Bohn et al.

ここに映されているのは、地球から約300光年の位置にある若い太陽のような恒星「TYC 8998-760-1」です。

矢印で示された2つの光が太陽を周回する2つの惑星で、どちらも木星のような巨大ガス惑星です。

それぞれの惑星と主星の距離は、160AU(天文単位:地球-太陽間を基準とした距離)と320AUで、私たちの太陽系にある木星、土星と比べて遥かに太陽から遠い位置です。(木星は5AU、土星は10AUしかありません)

また2つの惑星は太陽系の惑星より質量も巨大で、内側の惑星は木星の14倍、外側の惑星は6倍もあります。

主星はまだ誕生して1700万年しか経っておらず、星系進化の初期段階にあります。研究者はこの星を「私たちの太陽の非常に若いバージョンだ」と説明しています。

この撮影を実現させたのは、チリのアタカマ砂漠にある超大型望遠鏡VLTが搭載する観測装置「SPHERE(Spectro-Polarimetric High-contrast Exo-planet REsearch:分光偏光高コントラスト太陽系外惑星探査)」です。

望遠鏡の横に取り付けられたブラックボックスがSPHERE。/Credit:ESO/J. Girard (djulik.com)

これはコロナグラフという装置によって、主星の明るい光を遮ってずっと暗い惑星の光を捉えています。

こうした撮影ができたのは、今回の惑星がまだ非常に若いため、熱く赤外光で輝いているためです。

私たちの太陽系にある様なすでに冷えてしまった惑星は、この距離から同じ手法で直接観測することはできません

しかし、今回の観測は太陽系のような他惑星星系がどの様に進化していくのか、私たちの太陽系の歴史を理解する上でも大きな影響を与える発見に繋がるだろうと、研究者は語っています。

私たちが天体観測で話題にするのは、主に中心で輝く主星ばかりですが、その周りには私たちの太陽系と同じ様に多くの惑星が回っているのだと思うと、なんだかとてもロマンを感じますね。

この研究は、オランダのライデン大学の研究者Alexander J. Bohn氏を筆頭とした国際研究チームより発表され、論文は天文学に関する科学誌『The Astrophysical Journal Letters』に7月22日付けで掲載されています。

Two Directly Imaged, Wide-orbit Giant Planets around the Young, Solar Analog TYC 8998-760-1*
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/aba27e

約8億年前に地球と月を「小惑星のシャワー」が襲っていたという調査結果

reference: ESO/ written by KAIN
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