頭部を覆うだけの新MRI検査で、脳スキャンが快適になる

product 2020/07/28

Credit:smart interactions
point
  • 頭部のみをスキャンできるコンパクトなMRIスキャナーが開発される
  • 従来のMRIスキャナーと比べ、省スペース・低コスト
  • 不安を感じない設計が取り入れられており、閉所恐怖症患者でも安心

MRI検査とは、磁気の力を利用して身体の臓器や血管を撮影する検査です。CT検査とは違い放射線被ばくがなく、安心して検査を受けられます。

しかし、検査時間が長く、狭い筒の中で長時間過ごさなければいけません。そのため閉所恐怖症患者には難しく不快感の強い検査でした。

また、MRI装置は非常に高価であり、多くの人が利用しづらいというデメリットがあります。

そこで、ニュージーランドのヴィクトリア大学ウェリントン校の研究チームは、頭部のみを覆う小型のMRIスキャナーを開発しました。

脳検査に特化した「新しい脳MRIスキャナー」

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新しいMRIスキャナーは、様々な工業・医療・メディアデザインを手掛ける「Smart Interactions Design lab」の協力によって設計されました。

洗練され、コンパクトにまとまった新しいスキャナーは、従来の筒状大型スキャナーとは異なり、頭部だけを覆い、座ったままで脳のMRI検査が受けられます

もともとMRIスキャナーは脳の検査が得意であり、新しいスキャナーは検査頻度の高い「脳検査」に特化したものとなっています。

これにより、省スペース・低コスト化を実現しており、従来の高価なMRIスキャナーよりも多くの病院に設置できると考えられています。

閉所恐怖症・子供・高齢者でも安心できる親切設計

このMRIスキャナーには患者の不安を軽減するための仕組みが多く備わっています。

例えば、患者がコントローラーによって操作し、スキャナー内へと座席を昇降させることが可能。

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患者自身が簡単に操作でき、自分のペースで検査を進められるため、不安が募りにくいのです。

また、検査するためには頭部を固定する必要がありますが、この頭部固定システムにも不快感を与えないような工夫が盛り込まれています。

頭部をスキャナーに入れると、頭部まわりの柔らかいヘッドサポーターが膨み頭部を固定。こちらも患者自身が操作できるので、圧迫感を与えません。

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しかも頭の動きをあらゆる方向に対して1mm未満に抑えることができるので、高い精度で検査を進めることができます。

加えて、頭部スキャナーには窓が付いており、検査中でも閉塞感を感じないよう配慮されています。

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さらに頭部から下が検査機に入ってしまわないので、手を握り不安を軽減させてあげることもできるでしょう。

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コンパクト・低コスト・安心の3つが揃った脳MRIスキャナーは、今後2年以内に臨床試験を受ける予定となっています。

一般化するなら、子供から高齢者まで多くの人が検査を受けやすくなり、認知症の早期発見や脳卒中予防に繋がるでしょう。

新しいMRIスキャナーの詳細は7月24日、「designboom」に掲載されました。

researchers develop a head-only MRI system to make brain scans more comfortable
https://www.designboom.com/technology/researchers-develop-head-only-mri-system-07-24-2020/

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reference: designboom / written by ナゾロジー編集部
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