- アフガニスタンではここ数年でソーラーエネルギーが利用され、農業が大きく発展している
- 農業の発展はケシ畑を増大させたため、5年でアヘンの生産量は2倍以上に増加
- 近年、アヘンから作られる麻薬ヘロインが世界中で増加
私たちが利用している「無害」なテクノロジーは、見方によっては「無害ではない」かもしれません。
近年、アフガニスタンのヘロイン産業は拡大しており、その背景には太陽光発電によるソーラーエネルギー利用が大きく関わっているようです。
BBCの記者ジャスティン・ロラット氏は、アフガニスタンのケシ畑を訪れ、太陽発電の与える影響を異なった角度から警告しています。
ソーラーパネルの広がり
ソーラーパネルを利用した太陽光発電は、現在世界中で活用されており、私たちの多くが「無害な」発電方法だと感じています。
アフガニスタンにソーラーパネルが導入されたのは2013年のことであり、それ以降、ソーラーパネルの設置数は爆発的に増加していきました。
そして2019年には、アフガニスタン南部のヘルマンド州だけでも67,000のアレイ(複数のソーラーパネルを接続したもの)が設置されるまでになったのです。
これらの地域では、太陽光発電が地下水をくみ上げるために利用されています。
18のソーラーパネルからなる2つのアレイだけで、貯水池を満たすための電動ポンプを動かすことができます。砂漠地帯にソーラーパネルを設置するだけで、水を確保でき、農園へと変えられるのです。
もちろん従来のディーゼルエンジン発電も可能ですが、こちらは絶えず燃料費がかかり故障も多いため、多くの農家はランニングコストのかからないソーラーパネルへと切り替えています。
実際、太陽光発電は農地面積の拡大に大きく寄与しており、アフガニスタンに農業革命を引き起こしたとさえ言えるでしょう。