太陽光発電が広大なケシ畑を作り上げる
しかし、このソーラーパネルの広がりは世界に大きな悪影響をも与えました。
世界中で押収される違法薬物ヘロインが爆発的に増加したのです。
それもそのはず、アフガニスタンでソーラーパネルによって発展したのはケシ畑だったのです。
もともとアフガニスタンには大規模なケシ畑があり、このケシの実を乾燥させたものが「アヘン」と呼ばれます。
そして、アヘンに含まれるモルヒネからは、最も中毒性の高い薬物の1つ「ヘロイン」が作られるのです。
この国ではケシの栽培が貧困を抜け出す足がかりであり、反政府勢力の資金源にもなっています。アフガニスタン当局が取締を行っても、反政府勢力の伸長や開発の遅れなどで規制しきれていないのが現状です。
国連は毎年世界中で生産されている違法薬物の量を推定しており、その統計はアヘンとソーラーパネルの関係性を示しています。
2012年(太陽光発電が設置される前)、アフガニスタンは合計3700トンのアヘンを生産していましたが、その後急増し、2017年には最大9000トンにも達しています。
そして現在、ヘルマンドを含むアフガニスタン南西部で生産されるアヘンは、世界の供給量の3分の2を占めるほどになっています。