「人は感情によって見るものが変わる」ことが科学的に証明される

psychology 2018/04/16
Credit: MattysFlicks on VisualHunt / CC BY-NC-ND

Psychological Sciendeに掲載された研究によると、私たちは感情によってものの見え方をコントロールされているようです。たとえば、周囲の人々や自分自身が機嫌が良い場合、無表情の人にも好感を抱けるといったことです。

Seeing What You Feel: Affect Drives Visual Perception of Structurally Neutral Faces
http://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797617741718

過去の研究で、カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校の心理学者エーリカ・シーゲルと共同研究者たちは、無意識下の感情状態に影響をあたえることで、無表情な顔の第一印象を変えられることを発見。よって今回は、無意識の感情状態を変えることで、本当に無表情な顔の見え方が変わるのかを確かめました。

研究で使ったのは連続フラッシュ抑制という方法で、左右の目で別々の映像を見せると、片方の映像しか認識できない「両眼視野闘争」という現象を利用したもの。たとえば片目に瞬間的に連続して切り替わる映像を見せると、反対の眼では映っているはずの映像を認識できなくなります。

Credit: Visual hunt

一つ目の実験では、43人の被験者に連続フラッシュ映像として、モザイク像から無表情な顔に変化する絵を見せました。この映像は見えるものです。同時に反対の認識を抑制された側の眼に、笑顔、しかめっ面、無表情の解像度の低い絵を見せました。これらの顔は眼には入っていますが、意識に上りません。試験が終った後に、5枚の顔の絵をみせて、自分が見た顔と一致するものを指摘してもらいます。

その結果、参加者たちが見えていたのは無表情な顔のはずですが、実際に指摘したのは、見えない方の眼で無意識下でしか認識していないはずの顔でした。つまり、見えない方の眼に笑顔を見せられた時は、笑顔の絵を参加者は指摘したのです。

Credit: VisualHunt.com

二つ目の実験では、見えない方の眼に何が見えているのかを予測してもらい、抑圧された顔に気づいている度合いを測定に加えました。それでも、結果は一つ目の実験と同じで、見えないはずの眼で見たポジティブな顔が影響し、実際見えた無表情の顔を笑顔という認識に変えました。

今回の実験は、私たちが見えているものは、世界の直接的な表れというより、感情的な経験に影響を受ける世界の表象であることの、さらなる証拠となりました。今後裁判官や陪審員の感情状態が、被告の反省度合いを評価する際などに及ぼす影響を考えると、何らかの対策が必要となるかもしれません。

 

信頼できるのは目が大きい人? 脳は初対面の人を見た時にどう反応しているのか

 

via: EurekAlert, medical press/ translated & text by SENPAI

 

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