ニュージーランドにのみ生息する「ムカシトカゲ(Tuatara)」は、生物の中でも一風変わった存在です。
生まれは約2億5000万年前の中生代に遡り、それから現在に到るまでほとんど姿を変えていません。それゆえ、恐竜時代の生き残りとして「生きた化石」と称されます。
そんなムカシトカゲに関する新事実が、この度の最新研究により明らかになりました。
哺乳類に大別されるムカシトカゲは、遺伝子的に、哺乳類と爬虫類の中間にあることが分かったのです。
研究は、オーストラリア・アデレード大学により報告されています。
ホントに不思議な「ムカシトカゲ」
ムカシトカゲは、絶滅危惧種に指定されており、ニュージーランドにわずか2種しか現存していません。
恐竜時代の生き残りというだけでもレアですが、その生態はもっと驚きに満ちています。
まず、ムカシトカゲには「第3の目」があります。
目に似ているのではなく、ちゃんと眼球や眼窩があり、神経も通っています。ただ視力自体はなく、紫外線の吸収や光を感じ取るために使われているようです。

また、生物屈指の長寿命を誇り、多くが100年近く生きます。中には110歳を超える個体もいるそうです。
長寿の秘訣は、超低体温で新陳代謝が低いからと言われます。一般的なトカゲの体温が20度前後に比べ、ムカシトカゲは5〜11度です。

それから環境の温度によって性別が決定します。研究では、21度あたりでオスメス半々、22度以上で8割がオス、20度以下で8割がメスになります。
他にも、若者は昼行性で、大人になると夜行性に変わるなど、ホントに不思議な生き物なのです。