二酸化炭素をエタノールにする電極触媒を発見!環境にもエネルギーにもやさしい

chemistry

Credit: Argonne National Laboratory
point
  • 二酸化炭素をエタノールに変換するための電極が発見される
  • 新しいを利用するなら高効率・低コストで燃料が生成できる
  • 産業で排出される二酸化炭素を産業に必要なエタノールへと変換可能。排出ガスのリサイクルに繋がる

反応を加速させるため、今日の産業には欠かせません。例えば、重油をガソリンやジェット燃料に変換するのにもは不可欠です。

米国エネルギー省のアルゴンヌ国立研究所のディージャー・ルー氏らの研究チームは二酸化炭素と水を高効率・低コストでエタノールに変換する新しい電極を発見しました。

エタノールは米国のガソリンに含まれている成分でもあり、、製薬、化粧品産業に広く使用されています。新しい発見により、これほど需要の高い燃料を産業の排気ガス(二酸化炭素)から生成できるようになったのです。

とは

Credit:depositphotos

反応を加速させるために必要であり、その反応には様々なパターンがあります。

例えば、水素と酸素をガラス容器に入れて加熱しても反応することはありませんが、ここに少量の銅を入れてから加熱するだけで、速やかに水が生成されるようになります。

この時銅は消費されません。銅は「加えるだけで反応を加速させる」便利な物質として作用しているのです。

もちろん銅も反応を起こしています。一見変化のないように思えますが、実は「Cu → CuO → Cu」というサイクルを経ており、「2Cu +  O2 → 2CuO」と「CuO + H2 → H2O + Cu」の2つの反応が同時に起こっています。

銅は酸化銅を経て銅にもどり、その過程で酸素と水素が水へと変換されているのです。

このように、反応によってサイクルを作り出し、そのプロセスで他の物質を生成する」ものをと呼びます。ちなみに、電気反応におけるは電極とも呼ばれます。

反応はこれ以外にも数多く存在しますが、産業に利用できる実用的な反応が探し求められてきました。

二酸化炭素と水からエタノールを生成するを発見!

クリーンな燃料生成が求められるなか、研究チームは二酸化炭素と水を燃料としてエタノールに変換する新しい電極を発見しました。

新しい電極は炭素粉末担体(物質を固定する土台)の上に原子状に分散させた銅で構成されています。このは電気反応により二酸化炭素と水分子を分解し、エタノールを再構築できます。

Credit: Argonne National Laboratory

ちなみに、ファラデー効率(電極から流れた電子のうち目的の反応に使用された割合)は90%以上であり、他の報告されているプロセスよりも非常に高い効率を示しています。

本来、二酸化炭素は安定した分子であるため、それを別の分子に変換するには多くのエネルギーが必要になります。

しかし新しい反応は低温・低電圧で長時間安定して動作するため、太陽光や風力などから得られる低コストの電力でも動作可能。再生可能電力の断続的な供給に応じて迅速に開始および停止できるようになっています。

Credit: Argonne National Laboratory

また、ルー氏は「新しいによるプロセスは、二酸化炭素の再利用を伴う循環炭素経済に貢献するでしょう」と述べており、産業プロセスによって排出される二酸化炭素を妥当なコストで液体燃料へと変換することのメリットを強調しています。

今後研究チームはこの技術を発展させるために、産業界と協力して研究を続けていく予定です。

 

この研究は7月28日、「Nature Energy」に掲載されました。

Highly selective electrocatalytic CO2 reduction to ethanol by metallic clusters dynamically formed from atomically dispersed copper
https://www.nature.com/articles/s41560-020-0666-x

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reference: phys / written by ナゾロジー編集部
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