二酸化炭素と水からエタノールを生成する触媒を発見!
クリーンな燃料生成が求められるなか、研究チームは二酸化炭素と水を燃料としてエタノールに変換する新しい電極触媒を発見しました。
新しい電極触媒は炭素粉末担体(物質を固定する土台)の上に原子状に分散させた銅で構成されています。この触媒は電気化学反応により二酸化炭素と水分子を分解し、エタノールを再構築できます。
ちなみに、ファラデー効率(電極から流れた電子のうち目的の反応に使用された割合)は90%以上であり、他の報告されているプロセスよりも非常に高い効率を示しています。
本来、二酸化炭素は安定した分子であるため、それを別の分子に変換するには多くのエネルギーが必要になります。
しかし新しい触媒反応は低温・低電圧で長時間安定して動作するため、太陽光や風力などから得られる低コストの電力でも動作可能。再生可能電力の断続的な供給に応じて迅速に開始および停止できるようになっています。
また、ルー氏は「新しい触媒によるプロセスは、二酸化炭素の再利用を伴う循環炭素経済に貢献するでしょう」と述べており、産業プロセスによって排出される二酸化炭素を妥当なコストで液体燃料へと変換することのメリットを強調しています。
今後研究チームはこの技術を発展させるために、産業界と協力して研究を続けていく予定です。
この研究は7月28日、「Nature Energy」に掲載されました。
Highly selective electrocatalytic CO2 reduction to ethanol by metallic clusters dynamically formed from atomically dispersed copper
https://www.nature.com/articles/s41560-020-0666-x