medical

子供の視力低下に「遠近両用コンタクト」が予防効果があると判明 (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.08.14 Friday

前ページ「近視」はなぜ起きる?

<

1

2

3

>

「遠近両用コンタクト」の効果は?

遠近両用コンタクトは、射撃の的のような同心円状の形をしており、近視用と遠視用の2つのパートに分かれています。

そもそも近くのものと遠くのものを見るための度数は異なり、その度数の差を「加入度数」といいます。

遠近両用コンタクトは、近視と遠視の双方に対応するため、レンズの場所によって度数を変えて、意図的に加入度数を作っているのです。

画像
遠近両用コンタクトの主な2種類/Credit: acuvuevision

レンズ中心部は、近視を矯正するための度数で、網膜の後ろに焦点を伸ばすことで遠くが見えやすくなります。その周囲は、網膜の手前に焦点を引っ張ることで遠視を矯正し、近くのものを見えやすくします。

こうすることで、近視と遠視の両方を同一のレンズで矯正できるのです。

画像
Credit: acuvuevision

今回の調査で、遠近両用レンズは、光の焦点を前に持ってくることで、目の成長を遅らせることが判明しました。

実験では、7〜11歳の近視の子ども287名に参加してもらい、通常のコンタクトと遠近両用コンタクト(加入度数が中度と高度の2パターンを用意)を振り当て、3年に及ぶ追跡調査を行なっています。

画像
遠近両用コンタクト、網膜を手前に引っ張るように焦点を矯正する

その結果、近視の進行が最も遅かったのは、高度の遠近両用コンタクトで、目の成長は平均0.42mmでした。中度では平均0.58mm、通常のコンタクトでは平均0.66mmとなっています。

同チームのデビッド・バーンステン氏は「遠近両用コンタクトは、一般のレンズと比較して、3年間で約43%も近視の進行を抑えていた」と話します。

次ページ2050年までに世界人口の半分が近視に

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

医療のニュースmedical news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!