アリを騙して巧みに成長
アリオンゴマシジミを含むすべてのゴマシジミ属は、成長にクシケアリの働きが欠かせません。
まず、卵から生まれたゴマシジミの幼虫は、特定の草を食べて成長していきます。ところが、幼虫期が終わりに差し掛かると草食をやめて、クシケアリによく似た匂いを分泌し始めます。
地面に横たわる幼虫を見つけたアリは、自分たちの子どもと勘違いして巣内に持ち帰るのです。
まんまと侵入に成功した幼虫は、草食から肉食に変貌し、クシケアリの幼虫やサナギを食べてしまいます。
その後、秋と冬にかけてサナギに成長したゴマシジミは、翌年の夏、「実はチョウでした」とばかりに成虫となって登場するのです。