野生動物の縄張りの背後にある数学的法則
さて、シェフィード大学のエリソン氏らの研究によって、生物の縄張りの背後にも数学的法則があると判明しています。
通常、野生動物の生息地は各々の縄張りによって知られます。そしてこの縄張りは匂いや巣の位置から判断できます。
さらにそれらの縄張り分布は数学的法則で表現できるとされており、その法則はコヨーテや人間のギャングにまで適用できるとのこと。
しかし、野生動物の中には領土としての縄張りを持たないものもいます。エリソン氏らが研究している野鳥「エナガ」もその1つです。
エナガはスズメに似た小鳥であり、長い尾羽を特徴としています。この鳥は英国シェフィードのリベリンバレー周辺に生息しており、それぞれがある程度の群れをつくるものの、巣を持ちません。
そのため領土としての縄張りがなく、エナガたちがどのような群れを形成し、周囲に分布しているか調査するのは難しいことでした。
加えて、この鳥たちの生息分布には不思議な点がありました。
エナガは縄張りを持たないはずなので、餌の豊富な場所に多くの鳥が集中しそうなものです。しかしこれまでの観測ではそのような傾向がなく、それぞれのエナガがあえて別の場所に生息していたのです。