火星と木星の間にある「小惑星プシケ」は崩壊した惑星コアかもしれない

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Credit:Peter Rubin and Arizona State University
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  • 小惑星プシケのクレーター形成がシミュレーションされる
  • シミュレーションにより、プシケは多孔質かつ合金モネルと同じ組成である可能性が高いと判明

火星と木星の間にある小惑星プシケ(Psyche)は他の惑星とは異なり金属で構成されていると考えられてきました。

2022年にはプシケ探査ミッションが行われる予定ですが、それに先駆けて、米国ロスアラモス国立研究所のウェンディ・K・コールドウェル氏がコンピューターモデリングによる分析を行ないました。

これにより、どのような組成ならプシケのようなクレーターができるのか判明。科学者の予想通り、プシケはほとんど金属でできており多孔質である可能性が高いとのこと

プシケは形成途中で崩壊した惑星コアなのかもしれません。

小惑星プシケとはどんな天体か?

Credit:NASA

プシケ(Psyche)は太陽系の小惑星帯に存在する数ある小惑星の中の1つです。小惑星の中で13番目に大きな天体であり、その表面にあるクレーターが印象的です。

またプシケの最大の特徴はその組成にあります。通常の小惑星は岩石や氷でできていますが、プシケは金属の塊だと推定されているのです。

プシケは純度の高い鉄とニッケルから成ると考えられており、これは惑星のコアと同じ組成です。そのため「プシケは破壊された惑星コアの残骸」の可能性が高いとされてきました。

仮に予測通りであるなら、プシケの調査は惑星コアの形成について多くの情報を与えるものとなるでしょう。

プシケの詳細は、2022年に予定されている探査ミッションにて明らかになります。

プシケのクレーターと一致する組成は?

探査ミッションが実行される前にも入念な準備が必要です。事前にプシケについて知っておくことで、調査に必要なツールを備えておけるでしょう。

そのためコールドウェル氏によってプシケの3Dモデルが作成されました。

プシケにはクレーターが確認されており、これは物体が衝突したときにできたものです。そのため衝突時の挙動をシミュレーションすることで、衝突時の角度やプシケの組成を明らかにできるのです。

シミュレーションの結果、プシケは多孔質(小さな穴が多数ある状態)であり、その組成は合金「モネル」に非常に近いと判明。

モネルは主にニッケルと銅からなる合金であり、カナダの「サドベリー隕石孔」の鉱石をもとに作成されたものです。

サドベリー隕石孔は隕石衝突によってできた大きなクレーターであり、そこに残された鉱物は隕石から来たと考えられています。

つまりモネルは地球外を起源とする金属と同じ組成であり、この組成は小惑星プシケにも共通するというわけです。

実際にモネルで想定したインパクトシミュレーションは、プシケと同じクレーターを作りました。

これにより、プシケが降着段階(ガスや塵などが引力で衝突・合成することで天体形成していく段階)で崩壊した惑星コアの残骸である可能性が高くなりました。

プシケとほぼ同じ組成の金属が明らかになったので、将来の調査に向けてさまざまなテストが行えるでしょう。

 

この研究は「Icarus」に掲載されます。

Understanding Asteroid 16 Psyche’s composition through 3D impact crater modeling
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0019103520303304?dgcid=author#!

約8億年前に地球と月を「小惑星のシャワー」が襲っていたという調査結果

reference: lanl / written by ナゾロジー編集部
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