父親は「オトナトーク」を担当していた
一方の父親は、乳児の発話に対し、仲間内で使うのと同じ音、いわゆる「オトナトーク」で返答していました。
一見、愛想のない頑固パパにも思えますが、研究主任のMirjam Knörnschild氏によると、「ちゃんと子どもの言語発達を促す役割を持っている」そうです。
というのも、乳児のアイソレーションコーリング(親を呼ぶ時の鳴き声)は、音響的に同じコロニーに属する成熟したオスの声に近似していました。「おそらく、父親の発話を真似することで、集団に共通する社会的な発話を獲得している」と同氏は指摘します。
この発話を獲得するおかげで、仲間と他のコロニーとを識別できるようになるのでしょう。
人間以外の動物でも、親子間のコミュニケーションが発話の成長に大きく関わっているのかもしれません。
研究の詳細は、8月14日付けで「Frontiers in Ecology and Evolution」に掲載されました。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fevo.2020.00265/full