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大気圧の4億5千万倍という「史上最高の圧力」が実験室で再現される。白色矮星の物理モデル作成に役立つか

2021.01.28 Thursday

2020.08.24 Monday

実験室で生成された圧力の最高記録が達成されました。

これはレーザーを使って炭化水素のサンプルを最大450メガバールで圧縮するもので、その圧力は地球大気圧の実に4億5千万倍にもなります。

この圧力は、惑星や褐色矮星のコアにかかる圧力と同じくらいの高圧で、こうした非常に高圧の環境を再現する実験は、現在うまく物理モデルの作れていない白色矮星の研究に役立ちます。

最高の圧力から、星の進化の最終段階が理解できるようになるかもしれません。

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Credit: Mark Meamber and Clayton Dahlen/LLNL.

核融合研究施設で達成された史上最高圧力の実験

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国立点火施設のレーザー増幅装置。ここから500TWが照射される。/Credit:en.Wikipedia

この実験を実現させたのは、米国カリフォルニア州にあるローレンス・リバモア国立研究所にある「国立点火施設(NIF)」です。

NIFはレーザー核融合の実験施設です。点火と言われるとガスコンロを想像してしまいそうですが、ここで点火させるのは核融合です。

核融合は星の核のような非常に高圧で物質が圧縮されたときに発生します。レーザーを使い放射線でターゲットを圧縮し、核融合を点火させるのが点火施設の目的です。

金でできた円筒の実験カプセル内に高エネルギーのレーザーを照射し、反響で内部を均一にX線で満たします。これが小さな恒星を再現するように、内部を高圧にするのです。

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直径2mmのカプセル内で1秒間で500兆ワットのレーザーが爆縮を起こす。/Credit:Lawrence Livermore National Laboratory

さもでかい実験装置かと思いきや、この装置はたった直径2mmしかありません。

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Credit:National Ignition Facility

この瞳より小さな金の円筒の中で超高圧が再現されたのです。

次ページ白色矮星の環境が理解できるようになる

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