アイルランドに伝わる怪石の謎。科学者が「巨人の道」の作り方を解明

spot 2018/04/14
Credit: Paul Faith / PA / 北アイルランド郡アントリム沿岸のジャイアント・コーズウェイ

自然の神秘。

北アイルランドにある「ジャイアント・コーズウェイ(巨人の道)」は、火山活動で生まれた4万もの石柱群が連なる地域で、世界遺産に登録されています。アイルランドの伝説によると、アイルランドの巨人フィン・マックールがライバルの巨人と戦いに行くために作ったとされ、長く親しまれてきました。

この地域の構造物には何らかの形に近似したものもあり、数々の逸話も残っています。1588年にスペイン戦艦ヒローナ号が遭難した際、この地域の「高い柱」を煙突と間違えてぬか喜びさせられたそうです。また六角形の形の円柱は、「パワースポット」としても知られています。

Credit: Wikipedia / 高い柱

しかしここの石柱がどのようにしてできたのか、完全には解明されていませんでした。

そこで科学者たちは、研究室でこの4万の完全な六角形の石柱を形成する過程を再現、その謎の解明に成功しました。

Disclosing the temperature of columnar jointing in lavas
https://www.nature.com/articles/s41467-018-03842-4

幾何学的な石柱は地球上のいたるところで火山性岩石の一種として見られます。形成する時に岩が冷やされて収縮するので、規則的に並んだ多角形の角柱になります。しかし、冷えていくマグマが突然ひび割れ、幾何学的な舗道になる際の温度の閾値がどれくらいかは分かっていませんでした。

研究を率いたリバプール大学の火山学教授ヤン・ラバリー氏は言います。「これは、長い間地学の世界で魅力的な疑問の一つです。私たちは長らく、亀裂を引き起こす温度が、熱いのか、温かいのか、冷たいのかを知りたいと思っていました」

この質問に答えるために、ラビリー氏と共同研究者たちは、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山から、玄武岩のサンプルをドリルで取り出して使うことで、実験室で形成過程を再現しました。20cmの円柱を両端で固定して、溶岩状に柔らかくなり始めるまで1000℃以上で熱しました。サンプルの両端を機械的にしっかりと固定し、冷やすことでどの温度で折れるのかをテストしたのです。

その結果、840℃から890℃の間で玄武岩のマグマに亀裂が入ることを発見し、この温度でジャイアント・コーズウェイが形成されたことが示唆されました。

「私は、この質問に答えるための方法を10年以上考え続け、正しい実験方法を構築しました。この研究によって今では、その答えが、温度は熱く、個体化した後であることがわかったのです」

Credit: Wikipedia / 玄武洞公園の青龍洞。長く美しい柱状節理がみられる

柱状節理とは、岩に入った柱状の規則的な割れ目のことです。玄武岩質の岩石によく見られ、六角形の柱になることが多く、柱の大きさは冷やされる際の速度で変わります。日本で有名なのは、兵庫県豊岡市の玄武洞、佐賀県の七つ釜、福井県の東尋坊(安山岩)など。

研究者らは、将来的に大きなマグマ溜まりを使うことで調査を広げ、岩石が冷やされる時に幾何学的な亀裂が入る過程を再現したいとのことです。

 

via: The Guardian/ translated & text by SENPAI

 

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