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Credit:Antony van der Ent
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樹液から「ニッケル」が染み出る植物により、未来の鉱業が一変するかもしれない (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.08.30 Sunday

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インドネシアでニッケル貯蔵植物を探す

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Credit:Antony van der Ent

インドネシアは世界で最も生物多様性の高い地域の1つであり、世界最大のニッケル鉱床を持っています。そのためインドネシアの土壌にはニッケルが豊富に含まれており、そこから吸収できるニッケル量も多いと考えられます。

しかしこれまでにインドネシアの「ニッケル貯蔵植物」はほとんど発見されていません。これは主に時間をかけて調べる人がいなかったからだと思われます。

そのためチョア氏は、インドネシアに生息するニッケル貯蔵植物を探すことにしました。

しかしこれらは一見普通の植物と変わりません。そのため肉眼で探すのはかなり難しく、多大な労力を要するものだったのです。

対象になりそうな植物を見つけたなら検出紙を葉に押し当てることで簡易に診断ができます。ニッケルが含まれているなら検出紙はピンクに染まるので見分け方は簡単です。

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ただしニッケル濃度までは判断できないので、すべてのサンプルを研究室で調べなければいけませんでした。

4年間の調査の結果、チョア氏は2種類のニッケル貯蔵植物「Sarcotheca celebica(サルコテカ・セレビカ)」と「Knema matanensis(ネマ・マタネンシ)」を発見しました。

これらの在来植物からは、乾燥葉1gあたり最大5,000μgのニッケルを摂取できます。

次ページ更なる探索と植栽

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