マレーシアのケーキ断面に現れる「幾何学」模様。ケーキ職人の”数学的思考力”に驚き

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Credit:Karen Chai/Kitchen Confidante
reference: atlasobscura

マレーシアには「作るのが最も難しいケーキの1つ」と称されるカラフルなケーキがあります。

これは「ラピス・サラワクケーキ(マレー語: kek lapis Sarawak)」という名前であり、カットすると、その断面には幾何学模様があらわれるのです。

ケーキ職人の技術と数学的思考によってつくられる非常に美しいケーキをご紹介しましょう。

幾何学模様が美しいラピス・サラワクケーキ

Credit:atlasobscura

ラピス・サラワクケーキ(マレー語: kek lapis Sarawak)の名称は、マレー語の「層(lapis)」とマレーシアのボルネオ島の北西海岸に位置する州の名前「サラワク(Sarawak)」、そして「ケーキ(kek)」から来ています。

つまり、「サラワク州の層状ケーキ」というわけです。

その名が意味する通り、このケーキは多くの層からなっています。もちろん、単純な層状ケーキも数多く存在していますが、その中でもひときわ際立っているのが、幾何学模様に層を重ねたケーキです。

このケーキは比較的新しいデザートであり、1970年代から1980年代にかけてインドネシアのベタウィ族がサラワクの人に層状ケーキを紹介したのが始まりです。

紹介されたケーキは、バター、小麦粉、卵からなるスポンジ生地に、シナモン、カルダモン、クローブ、スターアニスなどのスパイスを入れて、茶色とベージュの層を何層にも重ねて焼き上げたものでした。

しかし、そこから派生したラピス・サラワクケーキはさらにカラフルになっており、模様も複雑です。

内側の層は食品着色料や天然エキスによって色鮮やかに仕上げられており、ケーキ職人の豊かな想像力と数学的思考によって様々な幾何学模様が作られるのです。

ラピス・サラワクケーキの作り方

ラピス・サラワクケーキは、そのデザインの複雑さにもよりますが、1つのケーキを作るのに4時間~8時間かかります。しかもいつ失敗するか分からないほど、繊細な作業が絶えず要求されます。

ではこの幾何学ケーキはどのような手順で作られるのでしょうか。簡単にご紹介します。

最初にケーキ職人は深い焼き型で層状ケーキを焼きます。この時、カラフルな縞模様にするため、オーブンで10分焼くごとに新たな層を付け加えます。

「薄く伸ばした生地を加えて焼く」作業を何度も繰り返すことで、やっと単純な層状のケーキが作られるのです。

しかも、これだけでは幾何学模様にはなりません。プロセスとしては丁度半分でしょう。

熟練したケーキ職人でも「設計図」を利用して慎重に作成する/Credit:Kenneth Chai

ここからはケーキの「カットと接着」という細かい作業を繰り返すことになります。

幾何学模様の完成形を想定しつつ、層状のケーキを様々な角度からカットします。カットされたケーキは向きを変えて、それぞれがジャムやコンデンスミルクを接着剤として幾何学模様になるよう組み立てられます。

綺麗な幾何学模様になるためには、それぞれの層が均等な厚さでなければならず、カットの角度や位置がわずかにずれてもいけません。

しかも模様の全体図は、ケーキ全てが組み立てられ、その断面を見るまでは正確に分かりません。

まさに熟練のケーキ焼きの技術と数学的思考、芸術的センスすべてが合わさってこそ完成するものなのです。

ラピス・サラワクケーキはその作成難易度から高価であり、59ドル(約6300円)することもあります。

現在ではこのケーキがソーシャルメディア(Kitchen Confidante)を通して国内外に販売されているとのこと。幾何学ケーキに興味のある方は、取り寄せてみてはいかがでしょうか?

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