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細胞(青)の上に見える緑の粒子がエイズウイルス。特定の形質を持つ人間はエイズ遺伝子を活性の低い遺伝子砂漠に封じ込めることができる/Credit:CDC
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エイズを「自然治癒」させた超免疫持ちの人間が発見される (2/4)

2021.01.27 Wednesday

2020.08.28 Friday

前ページエイズをコントロールする驚異の「エリートコントローラー」

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エリートコントローラーはただの幸運の持ち主ではない

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エイズに耐性がある人は感染してもエイズウイルスがほとんど生産されない/Credit:Nature

秘密を探るにあたって、研究者たちは64人のECと41人の通常の感染者の協力を仰ぎ、彼らから細胞の供与を受けました。

エイズは1本鎖RNAの遺伝子を持つレトロウイルスであり、感染すると自身の遺伝子をDNAに変換して人間の遺伝子の中に組み込み、継続的に自己複製を行うようになります。

一方、現在流行しているコロナウイルスは細胞に感染しても、人間の遺伝子の中に自分の遺伝子を入り込ませることはありません。

研究者たちは最初、ECに感染したエイズは一種の「弱毒化」したものだと考えていました。

ですが、結果は予想とは異なりました。

驚くべきことに、ECの遺伝子内部には、完全な形のエイズ遺伝子が一般患者と同じように挿入されていたのです。

しかし1つ大きな違いがありました。

ECの場合、ウイルス遺伝子が挿入された場所の多くが「遺伝子砂漠(ヘテロクロマチン)」と呼ばれるほとんど活動がない領域だったのです。

エイズウイルスの自己複製は人間の細胞の遺伝活性に依存しているため、不活発な地域に差し込まれたエイズ遺伝子もまた、活動することができなかったのです。

ではECは幸運がもたらした産物でしかないのでしょうか?

その疑問は、ある女性患者「エリートコントローラー2(以下、EC2)」の出現によって否定されました。

次ページエリートの中のエリートは病状コントロールの必要のない自然治癒者だった

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