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細胞(青)の上に見える緑の粒子がエイズウイルス。特定の形質を持つ人間はエイズ遺伝子を活性の低い遺伝子砂漠に封じ込めることができる/Credit:CDC
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エイズを「自然治癒」させた超免疫持ちの人間が発見される (3/4)

2021.01.27 Wednesday

2020.08.28 Friday

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エリートの中のエリートは病状コントロールの必要のない自然治癒者だった

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ある患者EC2はエイズの遺伝子を粉砕して自然治癒させていた/Credit:depositphotos

ECの遺伝分析を続ける中、研究者たちは驚きの事実に遭遇します。

彼女は24年に渡りエイズ治療薬を飲まずに健康体を維持しており、彼女の細胞には、まともな配列を維持したエイズウイルスの遺伝子が存在していなかったことが判明したのです。

ECの体に感染していたエイズの遺伝子は欠損し、不完全な残骸のような姿になり果てていました。

エイズウイルスと言えども、遺伝子がズタズタの状態では自己複製はできません。

このことはつまり、EC2がエイズから自然治癒を成し遂げていたことを意味します。

EC2の体内では、まともなエイズの遺伝子を組み込まれていた感染細胞が、その超免疫によって全て排除されていたのです。

このことから研究者は、EC2ほどではないにしても、ECたちの体内でも類似の反応が起き、活発な遺伝子区域にエイズ遺伝子が入り込んでしまった細胞もまた強い免疫により排除されたのだろうと予測しました。

ECの体内で、エイズ遺伝子が不活発な遺伝子区域にだけみられたのは、活発な遺伝子区域にエイズ遺伝子を持っていた感染細胞が強い免疫によって排除されていた結果だというのです。

次ページ自然治癒者の力を全ての患者に届ける

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