「自撮り写真」で心臓病を診断できるAIが開発される

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reference: sciencedaily

お手軽な「自撮り写真」だけで、心臓病の簡易診断が可能になるかもしれません。

中国の循環器疾患ナショナルセンターの副所長であるジェイ・ジャン氏ら研究チームが、顔写真から心臓病を見つけ出すAIを開発したと8月20日付で「European Heart Journal」に掲載された論文で報告しています。

実際にAIは心臓病の症例の80%を検出しました。この技術の応用は迅速かつ簡単な検査につながり、心臓病の早期発見を促すものとなるでしょう。

顔写真から心臓病を見つけるAI

特定の顔の特徴が心臓病のリスク増加と関連していることは既知の事実です。

例えばこの特徴には、薄毛または白髪、しわ、耳たぶのしわ、まぶた周辺の黄色沈着、角膜外縁の白い輪などが含まれます。しかしこうした特徴を人間がすべて把握・定量化し、心臓病リスク予測に役立てるのは難しいとされてきました。

そのため、ジャン氏ら研究チームは、AI学習によってそれらを可能にしようと考えたのです。

Credit:Zhe Zheng

そして2017年7月から2019年3月までの間に、中国の8つの病院から5796人の患者データを集め、AIに心臓病との関連性を学習させました。

このデータにはデジタルカメラで撮影した4つの顔写真(正面1枚、横顔2枚、頭頂部1枚)と病歴・ライフスタイル・経済状況などが含まれます。

さらに学習後のAIによって、2019年4月から7月の間に登録された1013人の患者の顔写真に対して、診断テストが行なわれました。

そのテストの結果によると、80%の確率で陽性患者を「陽性」と正しく判断でき、61%の確率で陰性患者を「陰性」だと正しく検知できたとのこと。

これは「心臓病を発見しやすいものの、偽陽性率も比較的高い」ということになります。そのため、さらなる改善が必要だと言えるでしょう。

「自撮り写真」で簡単に心臓病検査ができるようになる?

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要改善ではあるものの、このAIの利用価値や可能性は他の医師たちも認めているようです。

英国オックスフォード大学の循環器系教授であるキャラランボス・アントニアード氏はこの新しいAI研究について次のように述べています。

「彼らの研究は、医療診断における新たな可能性を強調しています。検査に必要なデータが顔画像のみであり、容易な大規模適用が可能というアプローチの堅牢性を評価できるでしょう」

さらに彼はAIの適用方法として「自撮り写真の利用」を提案しています。

自撮り写真を利用したAI検査が実現できるなら、資金が不足していて検査に限界のある地域での心臓病早期発見に貢献できるでしょう。

ジェン氏も「私たちの最終的な目標は、診療所で受診する前に心臓病リスクを評価するための自己申告型アプリケーションを開発することです」と述べています。

自撮り写真をアプリで検査してリスク感知されたなら医師の診断を受けるというわけですね。精度の高いアプリが実現するなら、大きな効果を発揮するはずです。

今後研究チームはAIによる誤検出を改善していくとのこと。また、医療記録データが誤用されないための倫理的な問題も検討していく予定です。

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