SFの世界はもうすぐ?「脳内チップ」を搭載した豚が発表される

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Credit:Neuralink
reference: maxim

8月28日、起業家イーロン・マスク氏は彼の新興企業である「Neuralink」のライブストリームで「脳内チップを搭載した豚」を発表しました。

埋め込まれた脳内チップは豚の神経活動を無線信号で送信でき、外部のコンピュータを通して確認できるとのこと。

これは「人間の脳にチップを埋め込む」ための取り組みの1つであり、前途多難ではありますが、実現への道筋を示したことになるでしょう。

豚にを埋め込む

Credit:Neuralink

2017年に設立されたNeuralinkは脳に埋め込むコンピュータチップの開発を続けており、その最新バージョンとして、「a Fitbit in your skull」のプレゼンテーションを行ないました。

FitBitとはの1つであり、生体センサーに基づいた健康管理を特色としています。手首に装着するだけで、歩数・消費カロリー・睡眠状況が確認でき、モデルによってはストレス・心拍・体温なども検知可能。

つまりNeuralinkは、生体監視機能を持ったコンピュータチップを頭蓋骨に埋め込むという先端技術に挑戦しているのです。

新しく開発されたデバイスはコインサイズの小さなものです。

Credit:Neuralink

この測定器は人間の髪の毛よりも細い糸に取り付けられた3000本以上の電極で構成されており、1000個の(脳神経細胞)の活動を監視できるとのこと。

デバイスは頭蓋骨に固定され、そこから脳へと伸びる電極が神経活動を受信するのでしょう。

そして今回のライブストリームでは、実際に2か月前にデバイスが脳に埋め込まれた豚「ガードルード」が紹介されました。

Credit:Neuralink

埋め込まれたチップは彼女の神経活動をキャッチし、無線信号として外部にリアルタイムで送信できます。

実際にガードルードがストローを通してにおいを嗅いだり食べたりする時、神経活動がどのように行われるのかグラフとして写し出されていました。

Credit:Neuralink

脳ハッキング計画

マスク氏は今後の大きな目標「脳ハッキング計画」についても語っています。

将来的には人間の頭蓋骨や脳にチップを埋め込むことで直接情報を引き出したり、逆に脳へと情報を与えたりすることを目指しているのです。

Credit:Neuralink

また彼は「脳から取得した情報を外部コンピュータに保存できるかもしれない」とも語っており、「想い出」の保存と再生の可能性を提示しました。

さらに「いつの日か、脳と連動させることで失明や麻痺、聴覚トラブルを解決できると信じている」とも述べています。

脳信号の解読という大きな壁

Neuralinkは豚に埋め込んだチップから神経信号を取り出すことに成功しました。これは、マスク氏の述べた「脳ハッキング計画」が近いことを意味しているのでしょうか?

もちろん、そうではありません。彼らには「脳信号を解読する」という大きな壁が立ち塞がっているからです。

Credit:Neuralink

ペンシルバニア大学コーディングラボのアリ・ベンジャミン氏も、「このテクノロジーの障害は人間の脳の複雑さにあるだろう」と語っています。

さらに、「いったん記録が得られると、Neuralinkはそれらを解読する必要があり、いつの日か、記録するの数に関係なく、脳のしくみについての基本的な理解の欠如という壁にぶつかるでしょう」とのこと。

Neuralinkの今回の発表は、確かに脳とコンピュータを繋ぐ1つの足掛かりとなりました。

しかし、マスク氏の目標が達成されるのは遥か先であり、おそらく私たちが想像するよりもずっと長い期間待たなければいけないでしょう。

ただしベンチャー企業の多くが、彼らのように少しずつ可能性の境界線を押し広げており、その積み重ねが将来の革新を引き起こすのかもしれません。

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