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Credit: ancient-origins
history archeology

イギリスで「キリスト教の聖杯」の断片を発見!表面に天使や十字架のシンボルが描かれていた

2021.01.27 Wednesday

2020.09.03 Thursday

イングランド北部・ノーサンバーランドにある遺跡にて、5〜6世紀のキリスト教の「聖杯(英: Chalice)」の断片が発見されました。

断片は全部で14個見つかっており、無数の文字やシンボルが刻み込まれています。

聖杯の断片は、ローマ帝国時代に建てられた要塞跡から出土しており、イギリス国内で見つかった聖杯としては最古のものです。

研究主任のアンドリュー・バーリー博士は「イギリスでのキリスト教の広まりを理解する上でも貴重な発見」と評しています。

  bbc https://www.bbc.com/news/uk-england-tyne-53948801 ,  ancient-origins https://www.ancient-origins.net/news-history-archaeology/christian-graffiti-0014191 ,  theguardian https://www.theguardian.com/uk-news/2020/aug/29/hadrians-wall-dig-reveals-oldest-christian-graffiti-on-chalice

イギリスで見つかった最古の「聖杯」

聖杯が見つかった場所は、スコットランドとの境界線近くにある「ハドリアヌスの長城」の直下、「ヴィンドランダ要塞」の教会跡です。

ハドリアヌスの長城は、122年にローマ皇帝ハドリアヌスの命令により建設が開始されました。

その後、ローマ人は約330年間、同地に滞在しましたが、5世紀初めにその地を去り、集落だけが後に残されています。聖杯が出土した教会は、ちょうどその頃の5〜6世紀に建てられたものです。

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ハドリアヌスの長城(赤線)/Credit: theguardian

これまでに同遺跡では、拳闘用のグローブやシューズ、ブーツなどの遺物が見つかっていますが、聖杯が見つかったことはありませんでした。

これはローマ人が去った後も、同地の集落でキリスト教信仰が続いていたことを裏付けています。

キリスト教は313年のミラノ勅令によってローマ帝国の国教となり、そこから各地に広まっていきました。そのため、聖杯の断片は、イギリスにおけるキリスト教信仰の初期の遺物と考えられます。

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「ヴィンドランダ要塞」の遺跡/Credit: Jaime Pharr/Alamy

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