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アメーバの動きには迷いがなく行き止まりを回避してゴールに向かっている/Credit:Science
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「アメーバ」は人間よりも迷路攻略が得意だった!行き止まり回避能力の謎が解明される (3/5)

2021.01.27 Wednesday

2020.09.05 Saturday

前ページ謎を解き明かす2つのヒント

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謎の正体はアメーバの分解能力にあった

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アメーバは分岐路にくると両方のルートに脚を伸ばして誘引物質を吸い取る。正しい方向からは誘引物質が補充されるが行き止まりルートからは新たな誘引物質が流れてこない。/Credit:ナゾロジー

研究者の直感したストーリーは、アメーバの持つ誘引物質の分解能力に基づくものでした。

アメーバは同じ濃度で満たされた分岐路に立たされた場合、両方の道に身体の一部を伸ばして、誘引物質を吸い取り、体内で分解していたのです。

こうすることで、正解の道からは新たな誘引物質が流れてきて吸収された分を補います。一方、行き止まりの道からの供給はストップします。

アメーバはこのわずかな誘引物質の供給状態の差を利用して、行き止まりを回避して正しい道に進んでいたのです。

このことは、アメーバは単に誘導物質の濃度勾配に引かれるだけでなく、岐路に立った時は自ら局所的な誘導物質の濃度勾配を生み出していたことを意味します。

また先頭集団が順調である一方で後方集団の動きが鈍かったのも、誘引物質を先頭集団が独り占めして他者に周らないように分解していたと考えられます。

単純なシステムではありますが、迷路攻略と生存競争の必勝法とも言えるものです。

次ページシミュレーションによる再現

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