睡眠中に火山が噴火?
さらに、発見された場所や化石の姿勢から、穴を掘って住処を作る習性があったと見られます。これは前例がないわけではありませんが、恐竜の中では珍しい行動です。
ベルギー王立自然科学研究所のパスカル・ゴドフロイト氏は「首と前腕は非常に短いですが丈夫で、肩甲骨は穴を掘る習慣を持つ現生動物のそれと類似します。鼻先は地面を掘るのに便利なシャベル型をしていました。おそらくこの恐竜は、今日のウサギがするように器用に穴を掘っていたでしょう」と説明します。
そのことから、2匹の恐竜は、眠っている間に地下の巣穴が崩壊して死んだと見て間違いないようです。
化石が出土した「Lujiatun(中国語: 陸家屯)層」からは、過去にも火山の噴火で死んだ恐竜の化石が発見されており、専門家は、この地を「白亜紀版のポンペイ」と称します。
新種竜の死因は、巣穴で休眠中に火山の土石流に埋められた説が有力ですが、噴火後の不安定な土壌に穴を掘って、寝ている間に天井が崩れてしまった可能性も高いとのことです。
それでも恐竜の穏やかな眠った姿を見れば、苦しみもなく即死したことが伺えます。自分たちが死んだことにも気づかず、まだ眠っているつもりなのかもしれません。
まさに「永遠の眠り」の名にふさわしいでしょう。