カワウソはワニを背後から近づき仕留める「ワニ殺し」の名手だった?

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ワニ、カワウソ
ワニを仕留めるカワウソ/Credit: GEOFF WALSH, nationalgeographic

こちらは、2011年に、アメリカ・フロリダ州のレイク・ウッドラフ国立野生生物保護区で撮影された写真です。

なんとカワウソが昼食のためにワニを仕留めにかかっています。

両者の世間的イメージからすると驚きの光景ですが、野生ではよくあることなのでしょうか。

カワウソは「ワニ殺し」の名手?

飼育下のカワウソはなんとも愛らしい見た目をしていますが、野生ではまったく違います。

生物学者のテリー・フィリップ氏によると、「カワウソは凶暴な肉食生物で、生息地のほとんどで頂点捕食者に近い位置を占めている」そうです。

なので、カワウソとワニの生息域が重なっているエリアでは、ワニを仕留めるカワウソは比較的よく見られる光景なんだとか。

もちろん、ワニがカワウソを仕留める場合も多々あります。

ワニ、カワウソ
野生ではよくある光景⁈/Credit: GEOFF WALSH, nationalgeographic

それにしても、このカワウソが捕らえているワニは決して小さくありません。おそらく3〜4歳の若い個体で、体長は1.5メートルはあります。

自分と同じかそれ以上のワニを攻撃するなんて、かなり大胆なカワウソですね。

ワニ殺しはスタミナ勝負!

面白いのは、カワウソの戦略です。

ワニは敵と戦う際、首を横に振り回すので、正面に立つと噛まれるリスクが高まります。それを知ってか、カワウソはワニの背後から首元や背中に噛みつき、安全圏をキープします。

ただワニの表皮は鎧のように堅く、噛み切るのは至難の技です。ワニ同士の噛みつきに耐えられるくらいですから、カワウソではとても噛み切れません。

正面には立たず、スタミナ切れを待つ/Credit: GEOFF WALSH, nationalgeographic

そこでカワウソはスタミナ勝負に出ます。

ワニは短時間で爆発的なエネルギーを発揮しますが、長続きしません。その点、カワウソは持久力の面でワニを大きく上回ります。

そのため、カワウソはワニの背後にしがみついて暴れさせ、スタミナを0にして乳酸漬けにするのです。

その後、動かなくなったワニを岸に揚げ、弱ったところをゆっくりと仕留めます。

仕留めたワニは家族で分け合う

カワウソは、鋭い歯でワニの皮を剥ぎ、新鮮な肉や内臓を取り出します。

ヘビのように丸呑みはできないので、ハイエナが群がった後のようにワニの死肉があちこちに散乱するようです。

取り出した肉は、仲間や自分の子どもにも分け与えます。

子どもは親の勇敢な姿を見ることで、たくましく育っていくわけですね。

また、上の動画は、カワウソが群れでワニを仕留めている様子です。少し恐ろしさを感じますね。

野生のカワウソは、捕まえられるものなら何でも食べてしまいます。

ワニの他に、魚やカメ、ヘビ、それからアライグマやビーバーを仕留めているようです。

日本で野生のカワウソに出くわすことはないと思いますが、対馬や栃木県ではまだ目撃情報があるので、もし見つけたら近づかない方が賢明でしょう。

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