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Credit:Stephan A. Reber et al.,Journal of Experimental Biology(2015)
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日本人が2020年イグノーベル賞(音響学)を受賞!「ワニにヘリウムを吸わせて声の高さを確かめる」おもしろ研究

2021.01.27 Wednesday

2020.09.18 Friday

変わった研究に送られるノーベル賞のパロディ、イグノーベル賞(音響学)に京都大学霊長類研究所の西村剛准教授の参加した研究が選ばれました。

イグノーベル賞は「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績」に対して授与されるもので、今回受賞したのは、「ワニにヘリウムを吸わせて唸らせた」研究です。

タイトルだけ聞くと何やってるんだろう、と疑問に思ってしまいそうですが、この研究にはきちんと深い意義があります。

西村准教授は、なぜワニにヘリウムを吸わせたのでしょうか?

京都大学 https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/department/reityorui/news/2020/200918_1.html ,

ワニの発声メカニズムの謎

吠えるワニ
吠えるワニ / Credit:depositphotos

ワニは爬虫類の中でもっとも大きい鳴き声を出す生物です。

特に交尾の時期になると、ワニは非常に大きな鳴き声をあげますが、この発声メカニズムについてはよくわかっていません。

ワニは求愛行動や縄張り行動には、体の大きさが強く影響します。例えばワニのメスは自分より体の小さいオスの求愛をお断りします。

そのためワニの鳴き声は、自分の体の大きさを示す意味も含まれていると考えられるのです。

哺乳類鳥類は、声帯で音波を発生させ、声道で共鳴させることで増幅し「声」を生成します。この方法はフォルマントという周波数帯のバランスで音色を特徴づけていて、体の大きさなども正確に伝えています。

知られている限りでは、爬虫類にフォルマントが記録されていたことはなく、カエルなどの両生類の鳴き声にもフォルマントは関連していません。

つまり、ワニは大きな鳴き声を出すけれど、声帯や声道の共鳴を使って、哺乳類や鳥類と同じように鳴いているのか、そうでないのかよくわからないのです。

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