2020 AV2
2020 AV2 / Aは発見時の2020 AV2の画像。Bは22分間隔の位置変化を示している。/Credit: Ip et al, 2020.
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金星軌道の”内側”で小惑星を発見!詳細な分析結果が発表される (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.09.22 Tuesday

前ページ金星軌道内小惑星「2020 AV2」の発見

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未発見の小惑星群

木星軌道のトロヤ群など、小惑星の集団は〇〇群と名付けられます。

現在予想されている金星軌道内の小惑星帯は、未発見ではありますがアティラ群と名付けられていて、その存在の証拠が探索されています。

2020 AV2はこのアティラ群に属する小惑星と考えられています。ただ、2020 AV2の軌道は予想より太陽に近いため金星(英: Venus)とアティラ群(英: Atira)の名前を合成した、Vatira群という新しいグループの所属も提唱されています。

この2020 AV2は、分光観測による分析の結果、ケイ酸塩などが豊富なS型小惑星に分類されることがわかりました。

S型小惑星は「イトカワ」などを代表とした岩石型の小惑星で、メインベルトが起源です。

そのため、2020 AV2もメインベルトから金星内側の軌道まで弾かれて来た可能性があると予想されています。

または、太陽近傍に未知の小惑星発生源が存在し、そこが起源となる可能性も捨てきれません。

詳細はまだ不明ですが、この珍しい小惑星の発見をきっかけに、金星軌道より内側の小惑星帯が発見されることになるかもしれません。

近くても太陽系にはまだまだ未知の領域があるようです。

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