20世紀の発明「クロム鋼」は、”11世紀の古代ペルシャ人”によって最初に作られていたと判明!

reference: phys
20世紀の革新技術として知られてきたクロム鋼ですが、実はもっと前に生成されていた可能性があります。
ユニヴァ―シティ・カレッジ・ロンドン(略称: UCL)の考古学研究所の考古学者ラヒル・アリプール氏ら研究チームが、9月23日付けで『Journal of Archaeological Science』誌に古代ペルシャで見つかったクロム鋼生成の痕跡を発表したのです。
この発表によると、古代ペルシャ人はクロム鉱物をるつぼに定期的に加えていたとのこと。これはつまり「人類最初のクロム鋼生成」の証拠と言えるでしょう。
目次
クロム鋼とは

クロム鋼とはクロムを含有する合金鋼のことであり、私たちの周囲に当たり前のように存在しています。
例えばクロムが1%ほど含まれた低クロム鋼は耐熱性があるため、工具・歯車・軸受けなどに利用されてきました。
またクロムが10%以上含まれたものは「ステンレス鋼」と呼ばれており、錆びにくく建築・家電製品・食器・精密機器などあらゆる場面で活用されています。
このように現在の生活には欠かせないクロム鋼ですが、その普及は20世紀に入ってからでした。当然、クロム鋼が開発されたのも20世紀初頭であり、19世紀から続く実験に基づいています。
ところが、11世紀の古代遺跡から発掘されたスラグ(鉱石から金属を製錬する際に分離した鉱物成分を含む物質)にはクロムが含まれており、これはその時代に、既にクロム鋼が生成されていたことを示すものです。
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