クロム鋼とは
クロム鋼とはクロムを含有する合金鋼のことであり、私たちの周囲に当たり前のように存在しています。
例えばクロムが1%ほど含まれた低クロム鋼は耐熱性があるため、工具・歯車・軸受けなどに利用されてきました。
またクロムが10%以上含まれたものは「ステンレス鋼」と呼ばれており、錆びにくく建築・家電製品・食器・精密機器などあらゆる場面で活用されています。
このように現在の生活には欠かせないクロム鋼ですが、その普及は20世紀に入ってからでした。当然、クロム鋼が開発されたのも20世紀初頭であり、19世紀から続く実験に基づいています。
ところが、11世紀の古代遺跡から発掘されたスラグ(鉱石から金属を製錬する際に分離した鉱物成分を含む物質)にはクロムが含まれており、これはその時代に、既にクロム鋼が生成されていたことを示すものです。