最初のクロム鋼は古代ペルシャで作られていた
チャハクのスラグから採取された炭片を放射性炭素年代測定することで、この製造年代が11世紀から12世紀だと判明。
さらにるつぼスラグに保存された鋼粒子から1~2%のクロムを検出しました。これは、当時のペルシャ人がクロム鉱石から低クロム鋼を生成していたことを示しています。
また、この発見はペルシャの博学者アブ・レイハン・ビルニ氏によって書かれた『al-Jamahir fi Marifah al-Jawahir(貴重な石に関する概論):10~11世紀』に含まれるるつぼ製鋼のレシピとも一致しているとのこと。
アリプール氏は、このレシピに含まれている謎の化合物「rusakhtaj」がクロム鉄鉱を指していると主張しています。
20世紀の発明「クロム鋼」が、既に11世紀には古代ペルシャ人によって生み出されていたのですから、この発表は考古学者や材料化学者たちを驚かせるものとなりました。
研究チームは今後博物館と協力することによって、より多くのるつぼを調査し、出所と製造年代を確認する予定です。