カラスにも「自意識」があることを初めて実証!生物の主観は”大脳皮質”がなくても発生可能だった

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カラス(イメージ画)
カラス(イメージ画) / Credit: jp.depositphotos

ドイツ・テュービンゲン大学・神経科学研究チームは、24日、「カラスにヒトと同じ主観的意識の存在が初めて認められた」と発表しました。

『Science』に掲載された実験では、カラスがスクリーン上に表示された視覚刺激に対し、意識的に知覚・判別できることが示されています。

こうした意識構造は、ヒトを含む霊長類でしか確認されておらず、鳥類では初のことです。

研究主任のアンドレアス・ニーダー教授は「この結果は、意識の起源と進化について新しい見方を切り開くもの」と述べています。

カラスは「自分」を理解している

研究チームは、訓練した2羽のカラス、オジーグレンを対象に、意識的な知覚体験の有無を調べました。

オジーとグレンは、スクリーン上に表示される刺激(数字や色)に対し、首を振ることで合図します。一連の実験の結果、2羽ともにそれぞれの視覚刺激に対し正確に反応し、スクリーンに何も現れないときは首を振りませんでした。

オジーとグレンは、刺激がある場合とない場合を正確に見極めていたのです。

カラス
カラス / Credit: Tobias Machts/University of Tübingen

同時に研究チームは、2羽が視覚刺激に反応している間、内の神経細胞の活動を記録しています。

すると、オジーとグレンが「刺激を見た」と報告したとき、神経細胞は「刺激の表示から行動反応(首振り)」の間で活性化を示しました。もちろん、刺激を知覚していなければ、神経細胞は活性化していません。

ニーダー教授は「これはカラスの神経細胞が意識的な知覚に影響されていることを実証しており、より正確には、カラスの中に主観的意識が生まれていると言えるでしょう」と述べました。

つまり、カラスは、明瞭に「自分」の存在を理解したうえで、周りの世界を認識しているのです。

他の生物も「自意識」を持っている?

ヒトやその他の霊長類において、ものごとを意識的に知覚する能力は、脳表面に広がる「大脳皮質(英: cerebral cortex)」から生まれます。

しかし、霊長類と鳥類の脳は構造がまったく違っており、カラスには大脳皮質がありません。

大脳皮質(黄線と赤線の間)
大脳皮質(黄線と赤線の間) / Credit: ja.wikipedia

ヒトとカラスの共通祖先は、今から3億2000万年前まで遡ります。そのことから、意識の起源は予想以上に古く、より広範囲の生物種に広がっていたと考えられます。

また、これとは別に、霊長類と鳥類がまったく独自に意識を発達させた可能性もあるでしょう。いずれにせよ、本研究で、大脳皮質がなくても自意識が発生しうることを証明できたのは非常に重要です。

もしかしたら、カラスのみならず、身の回りに潜む多くの生物が、鮮明な自意識を持って、私たちを観察しているのかもしれません。

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