火星の南極地域から新たに3つの「氷底湖」を発見!火星に生命を発見する日が近づく?

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マーズ・エクスプレスによる火星南極の画像。
マーズ・エクスプレスによる火星南極の画像。 / Credit:ESA / G. Neukum (Freie Universitaet, Berlin) / Bill Dunford

reference: ESA,nature

不毛の荒野に見える火星ですが、2018年に火星探査機マーズ・エクスプレスは南極を覆う氷冠の下に液体の湖が存在する証拠を発見しました。

このときの発見は、氷底湖の存在が示唆される、というニュアンスの報告にとどまっていましたが、それから数年の調査研究によって、氷底湖については数多くの証拠が確認されたのです。

火星にはたしかに液体の水がまだ存在しているようです。この事実は9月28日の科学雑誌『Nature Astronomy』で発表されています。

火星に生命を発見する日も、いよいよ近いのかもしれません。

 

3つの湖とそれを囲む複数の小さな池

火星の南極は氷に覆われています。

これは水も含まれますが、多くは二酸化炭素によるドライアイスです。しかし、その下にはまだ液体の状態の湖があるかもしれません。

その報告は2018年に火星探査機マーズ・エクスプレスよりもたらされました。

2018年に報告されたマーズ・エクスプレスの氷底湖の証拠となるレーダー画像。
2018年に報告されたマーズ・エクスプレスの氷底湖の証拠となるレーダー画像。 / Credit:ESA/NASA/JPL/ASI/Univ. Rome; R. Orosei et al 2018

氷の下、約1.5kmの辺りに水によると考えられるレーダーの反射が確認されたのです。

新たな研究は、こうしたデータを地球の南極やカナダ北部、グリーンランドなどの氷底湖を探索する技術を使って分析しました。

そして火星南極の氷冠の下に、3つの湖があるということを発見したのです。

湖はドイツの国土面積の約5分の1にあたる広い範囲に散らばっています。

レーダー地図。青で表示される領域は反射率が高く液体の存在を示している。
レーダー地図。青で表示される領域は反射率が高く液体の存在を示している。 / Credit:Lauro et al., Nature Astronomy(2020)

サイズは最大のもので直径30km近くあり、その周りを幅約数kmの小さな池がいくつも囲んでいました。まるで湿地のようにいくつもの池と湖が連なって存在していたのです。

氷の下で液体を保つ理由

地球で最大の氷底湖。ボストーク湖の断面模式図。
地球で最大の氷底湖。ボストーク湖の断面模式図。 / Credit: Nicolle Rager-Fuller / NSF

氷に覆われた地面の下にある液体の湖「氷底湖」は地球でも数多く見つかっています。

地球で最大の氷底湖は南極にあるボストーク湖で、3.5kmもある厚い氷の下に液体の湖が存在しています。

氷底湖が氷の下で液体を保っていられる理由は、地熱の影響や、氷の圧力によって融点が下がっていることがあげられます。

火星南極の表面温度はマイナス113℃と推定されていますが、これは地下深くに行くほど徐々に暖かくなっていきます。

それでも水が液体を保つには十分に冷たいと考えられますが、研究者たちは火星で見つかった氷底湖について、非常に塩分濃度が高いと考えています。

そのため融点が下がり氷の下でも液体を保っているのです。

生命の発見に理想的な場所

火星は40億年前には地球同様暖かく、地上には多くの水がありました。

そうした環境では生命の存在する可能性も高かったと考えられます。

もし、そのような太古の生命の生き残りや痕跡を探そうとした場合、液体の状態を保つこの氷底湖は理想的な場所です。

塩分が高すぎるため、こうした環境がバクテリアなどの生存にどの程度有毒かは現在のところ不明。ただ、こうした環境で生きることができるバクテリアも世の中には存在しています。

火星で厚さ1.5kmを超える氷の下に到達することは至難の業でしょうが、いずれはそんな深さまで掘り進め、重大な発見ができるかもしれない、と研究者は語っています。

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