ついに暗黒物質を観測? 衛星が異常な宇宙線電子を検知

science_technology 2017/12/01
Credit: stocksnap

科学誌『Nature』は30日、中国の衛星「DAMPE」が宇宙線電子の「異常」なデータを測定し、それが暗黒物質である可能性があると発表しました。

Direct detection of a break in the teraelectronvolt cosmic-ray spectrum of electrons and positrons – Nature
https://www.nature.com/articles/nature24475

暗黒物質の痕跡か?異常な宇宙線電子を測定

暗黒物質は宇宙の質量の大半を構成するといわれているものの目にはみえず、今まで観測されたことがない正体不明の物質です。これまで星の動きなどを計算した結果、見えている物質の10倍もの「見えていない物質」があるとされ、その存在が仮定されていました。ただ研究者によっては、「暗黒物質がなくても辻褄があう」と主張する者もおり、意見は別れています。

今回の発表は、そんな暗黒物質の研究に一石を投じるものとなりそうです。

2年前に飛行を開始した中国初の暗黒物質探査衛星「DAMPE」は、非常に高いエネルギー範囲での測定が可能で、宇宙から地球に降り注ぐ電子を測定しています。

Credit: arXiv.org DAMPE測定データ

上記グラフでは、エネルギーの増加にともなって電子の数が減少していますが、0.9テラ電子ボルト(TeV)あたりから突然、電子の数が不可解に急降下しているのがわかります。そしてこのような変化が、周辺のパルサーもしくは暗黒物質による可能性があるのです。

一方、ドイツのカールスルーエ工科大学の物理学者ヴィム・デ・ボーア氏は、このグラフの変化について「まだ暗黒物質と確定したわけではない」と疑義を呈しています。高エネルギーの電子を測定するにはまだデータ量が不十分であり、今後様々な場所や方法で調査を行うことが必要です。

中国科学院紫金山天文台の范一中研究員は、「今回のデータは、その場所にエネルギーの詳細な構造が存在することを示しています。分析によると、この構造が生まれた原因は、暗黒物質である可能性が最も高いのです。しかし、さらに多くのデータによって確認する必要があります」と話しています。

 

via: phys.org, dailymail / text by nazology staff

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