新型コロナウイルス重症化しやすい遺伝的危険因子が存在する
新型コロナウイルス重症化しやすい遺伝的危険因子が存在する / Credit:depositphotos
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COVID-19を重症化させる「遺伝的危険因子」は”ネアンデルタール人”由来で、東アジアにはほぼ分布していないと判明!

2021.01.27 Wednesday

2020.10.01 Thursday

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)は今も世界中で猛威を振るっており、科学者たちはその遺伝的危険因子を明らかにしてきました。

そして9月30日、スウェーデン・カロリンスカ研究所神経科学部のヒューゴ・ゼバーグ氏らは科学雑誌『Nature』に、その遺伝的危険因子をもつ人々の地域分布が明らかになったと報告しています。

その論文によると、東アジア人は遺伝的危険因子をほとんど持っていないとのことです。

theguardian https://www.theguardian.com/science/2020/sep/30/neanderthal-genes-increase-risk-of-serious-covid-19-study-claims

新型コロナウイルスには遺伝的危険因子がある

新型コロナウイルスの症状には大きな差があります。無症状の人もいれば、重症化して命を落とす人もいるのです。

重症化の要因は多岐にわたりますが、その中の1つに遺伝的な要因もあると考えられてきました。

そして6月17日に発表された論文では、第3染色体にある遺伝子座3p21.31が重症化に関連する危険因子だと判明。

第三染色体にある遺伝子座3p21.31
第三染色体にある遺伝子座3p21.31 / Credit:医療法人 康成会 植村病院

この遺伝子はこれまでにも直腸がんや肺小細胞がん、上咽頭がんへの関与が知られていましたが、それだけでなく新型コロナウイルスの症状にも大きな影響を与えていたのです。

私たちは両親から受け継いだ23対の染色体を持っており、その大部分は人類に共通しています。しかし、一部の情報には個体差があり、その差は遺伝によって生じています。

つまり、23対のうち3番目の染色体に含まれる遺伝子の個体差が、新型コロナウイルスの重症化に関係していたと判明したのです。

次ページ遺伝的危険因子の分布が判明!その起源と正しい見方は?

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