新型コロナウイルスには遺伝的危険因子がある
新型コロナウイルスの症状には大きな差があります。無症状の人もいれば、重症化して命を落とす人もいるのです。
重症化の要因は多岐にわたりますが、その中の1つに遺伝的な要因もあると考えられてきました。
そして6月17日に発表された論文では、第3染色体にある遺伝子座3p21.31が重症化に関連する危険因子だと判明。
この遺伝子はこれまでにも直腸がんや肺小細胞がん、上咽頭がんへの関与が知られていましたが、それだけでなく新型コロナウイルスの症状にも大きな影響を与えていたのです。
私たちは両親から受け継いだ23対の染色体を持っており、その大部分は人類に共通しています。しかし、一部の情報には個体差があり、その差は遺伝によって生じています。
つまり、23対のうち3番目の染色体に含まれる遺伝子の個体差が、新型コロナウイルスの重症化に関係していたと判明したのです。