「たためる風船電動バイク」が登場!”ポーズをとるだけ”で姿勢に合ったカスタムメイドが可能

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風船構造モビリティ「poimo」
風船構造モビリティ「poimo」 / Credit:jst
reference: jst

近年、電動スクーターや電動立ち乗り二輪車(セグウェイ)など、動力搭載した一人乗りの移動手段「パーソナルモビリティ」が次々に登場しています。

そんな中、東京大学大学院情報理工学系研究科の新山龍馬講師らは、未来の風船構造パーソナルモビリティ「poimo(ポイモ)」を開発しました。

poimoは専用のソフトウェアによってカスタムメイド可能であり、空気を抜けばコンパクトに折り畳めます。

この新しい研究は10月に開催される国際会議「33rd ACM User Interface Software and Technology Symposium(略称: UIST)」で発表されます。

風船構造モビリティ「poimo」

様々な形状のpoimo
様々な形状のpoimo / Credit:jst

従来のパーソナルモビリティは移動手段として便利ですが、そのほとんどにパイプや板などの剛性構造が採用されています。

そのため折り畳んだとしても収納性が悪く、衝突時の安全性が懸念されてきました。

そこで新山氏らは現在ロボティクス分野で活用されている「インフレータブル構造(空気圧で支えられた風船のような膜構造)」に注目し、パーソナルモビリティへ適用したのです。

これによって開発された風船構造モビリティ「poimo」は車体から車輪までの多くの部分が風船構造になっています

柔らかい素材なので乗り心地が良く、空気を抜くことでコンパクトに折り畳むことも可能。また非常に軽いので持ち運びも便利です。

空気を抜いたpoimo
空気を抜いたpoimo / Credit:jst

通常、モビリティの車輪やステアリングには高い強度が要求されるため、硬質な素材が利用されます。

ところが研究チームは「ドロップステッチファブリック」と呼ばれる特殊な布地を採用することで、高い強度を維持することに成功。これにより人間の体重を十分支えられる風船構造の車輪やステアリングを作り上げたのです。

ちなみにドロップステッチファブリックとは、2枚の布を多数の糸で繋げて強度を高めた立体的な布地であり、樹脂でコーティングされているため空気や水を通しません。

ポーズをとるだけでカスタムメイド可能

ポーズをとるだけでユーザーに合わせて自動設計される
ポーズをとるだけでユーザーに合わせて自動設計される / Credit:jst

さらにpoimoには「簡単にカスタムメイド」できるという利点があります。

研究チームはpoimoの開発と同時に、ユーザーが自分の身長や姿勢に合わせてpoimoをデザインできる専用ソフトウェアも開発したのです。

しかもこのカスタマイズ方法は、ユーザーがポーズをとるだけで良いとのこと。

例えば、電動バイク型のpoimoを設計したい場合、まずユーザーは椅子などを利用して「バイクに乗るポーズ」をとります。

するとソフトウェアがそのポーズから3次元情報を読み取り、ユーザーにピッタリの大きさや形状の乗り物を自動的に設計・提案してくれるのです。

提案された設計を微調整できる
提案された設計を微調整できる / Credit:jst

ユーザーは提案されたモデルに対し、ハンドルや座席の位置を微調整することでさらにカスタマイズできるようになっています。

このようにしてユーザーから得られた情報はソフトウェアによって最終調整が施され、そのまま発注可能なデータとして出力されます。

研究チームは実際にこの方法で、電動バイク型や手動車椅子型のpoimoを複数試作したとのこと。

車椅子型poimo
車椅子型poimo / Credit:jst

ちなみに、電動バイク型poimoは小型ブラシレスモータとリチウムイオン電池で駆動し、最高速度6km/hで走行します。約1時間は走行可能であり総重量もわずか9kgとなっています。

バイク型poimoの走行
バイク型poimoの走行 / Credit:jst

今後、研究チームは実用化と普及に向けてさらなる軽量化、操作性と安全性の向上を目指します。

将来、多くの人が「自分だけのpoimo」を移動手段としているかもしれませんね。

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