狂人の図書館へようこそ。奇書コレクターが選ぶ「最も奇妙な本7選」

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狂人の図書館で紹介されている本たち
狂人の図書館で紹介されている本たち / Credit:Richard Lane CollectionHonolulu Museum of Art/Edward Brooke-Hitching/Ernst Mayr Library/Ben Denzer
reference: theguardian

電子書籍が普及した今でも、紙の本には独特の味わいがあるためあえて入手する人は少なくありません。また古い本自体が歴史的価値を持つ場合もあるでしょう。

古書店で生まれ育ったエドワード・ブルック・ヒッチング氏もまた本に魅了されてきた人であり、同時に奇書のコレクターでもあります。

そんな彼は自著『MADMAN’S LIBRARY(狂人の図書館)』の中で、世界中に存在してきた奇妙な本を紹介しています。

ここではその中に含まれる常人では到底理解の及ばない「狂人の本」をいくつか見ていきましょう!

サダム・フセインの血のコーラン 1999年頃

血のインクで書かれたコーラン(イメージ)
血のインクで書かれたコーラン(イメージ) / Credit:depositphotos

イラクの独裁者サダム・フセインは、60歳の誕生日に彼の血で書かれたコーランを作成するよう書記官に依頼

2年間で24~27リットルの血液が抽出され、化学薬品と混合することで336,000語を書き出すのに十分な「インク」を生成したのです。

現在、この血で書かれたコーランはある場所で保管されており、ヒッチング氏が執筆した時点ではその扱い方が定まっていないとのこと。

誠実さと堕落の女性(De integritatis et corruptionis virginum) 1663年

誠実さと堕落の女性
誠実さと堕落の女性 / Credit:Wellcome Library, London

セヴェラン・ピノー著であるこのは、処女性、妊娠、出産に関して書かれたものです。

この本の所有者であるルドヴィック・ブーランド博士は、「この奇妙で小さな本は、自分のために日焼けした女性の皮膚の一部で再構成されている」と説明。

18世紀から19世紀にかけて、人の皮で本を装丁することが受け入れられていたようですが、同様の思想が込められているのかもしれません。

ノートの第17巻-コンスタンティヌス・サミュエル・ラフィネスクの1818年の旅 1818年

ノートの第17巻
ノートの第17巻 / Credit:Smithsonian Museum

1818年、フランスの博物学者ラフィネスクは、仲間の博物学者ジョン・ジェームズ・オーデュボンを尋ねるためにケンタッキー州を訪れました。

その際、オーデュボンはラフィネスクをからかうために空想上の生物を地元の生物として紹介したとのこと。

ラフィネスクは忠実にそれらをスケッチし、存在しない4つの生き物が描かれることになりました。

サンジェルマン伯爵の三角書 1750年頃

サンジェルマン伯爵の三角書
サンジェルマン伯爵の三角書 / CreditGetty Research Institute

サンジェルマン伯爵は冒険家または錬金術師として知られていました。

彼は長寿の秘訣を発見したと主張して18世紀のヨーロッパの上流階級を興奮させたとのこと。

そして彼の三角書には、長寿の秘訣が暗号化されて書かれているのだそうです。

切り抜かれた告白、または告白の準備をするための簡単な方法(La Confession Coupée … ou la méthode facile pour se preparer aux confessions) 1677年

切り抜かれた告白、または告白の準備をするための簡単な方法
切り抜かれた告白、または告白の準備をするための簡単な方法 / Credit:Edward Brooke-Hitching

フランスの聖職者によって出版されたこの本は、1751年に再販されるほどの人気がありました。

17世紀に考えられるあらゆる罪の目録が10の戒めの章に分けられており、罪を告白する人が自身の罪を見つけるのを助けたことでしょう。

それぞれの罪はページから剥がして目立たせる「タブ形式」になっており、素早く該当するページを見つけられるようになっていました。

数学マニュアル 17世紀初頭

数学マニュアル
数学マニュアル / Credit:Richard Lane Collection, Honolulu Museum of Art

著者不明とのことですが、漢字で書かれているようにも見えるこの本。江戸時代に執筆された『塵劫記』の一種であるように見えます。

この本は現代の数学の教科書のように線分図を使用する代わりに、様々なポーズのねずみの絵画を使用しています。

これにより複雑な等比数列や図形の体積の計算方法が説明されているようです。

20枚のアメリカンチーズ 2018

20枚のアメリカンチーズ
20枚のアメリカンチーズ / Credit:Ben Denzer

ニューヨークの出版社デンツァーによって、10部だけ作成されました。

本(?)のタイトルどおり、20枚のスライスチーズで構成されています。

ヒッチング氏はこの本が保管されているミシガン大学図書館のエミリー・アン・バックラー氏に、本の状態を尋ねました。

彼女によると、「常温保存食品だから安心」とのことですが……

 

さて、紹介した本たちは世界に存在してきた「狂人の本」のほんの一部にすぎませんが、理解に苦しむものばかりだったのではないでしょうか。

今後も我々の理解をことごとく無視しながら、新たな狂人の本が発見されたり生み出されたりしていくのでしょう。

【編集注 2020.10.07 10:00】
記事内容に一部誤りがあったため、修正して再送しております。
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