新型コロナのワクチン開発で「サメ」が絶滅する!?全人類へのワクチン摂取で”50万匹”が必要に

medical

ワクチン開発でサメが消えてしまうかも
ワクチン開発でサメが消えてしまうかも / Credit: jp.depositphotos

世界各地でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチン開発が進む中、予期せぬところに影響が出ています。

ワクチンの原料の一部となる「スクアレン」を得るため、サメが大量に捕獲され始めているのです。

スクアレンは、サメの肝油(肝臓内の液体)から抽出でき、免疫力を高める補助剤として使われています。

アメリカのサメ保護団体・シャークアライズによると、「世界人口78億人にワクチンを1回摂取するには約25万匹のサメが必要になり、2回摂取するなら50万匹以上のサメが消える」とのことです。

スクアレン1トンに”3000匹のサメ”が必要

9月29日時点で、COVID-19のワクチン候補は176個あり、その内の5つがスクアレンをベースとした補助剤を使用しています。

代表的なものに「MF59」があり、免疫細胞であるT細胞を活性化して、免疫力を増強する働きがあります。

一方で、1回の服用量あたり約9.75ミリグラムのスクアレンを必要とし、大量生産するとなれば膨大な数のサメを準備しなければなりません。

シャークアライズの計算では、1トンのスクアレンを抽出するには3000匹以上のサメが必要とのことです。

すでに複数のワクチン開発会社がスクアレンを原料として使うことを発表しており、サメの大量減少が懸念されています。

肝油の多い深海のサメが標的に

マイアミ・ヘラルド紙によると、スクアレンの製造会社はすでに年間300万匹のサメを捕獲しています。

特にホオジロザメやジンベエザメなど、大型のサメは1匹で多くの肝油を持つので標的になりやすいです。また、深海に生息するサメも同様の理由でターゲットにされています。

肝油はサメが水中で浮力を維持する助けをし、深海に住むサメほど多くのスクアレンを持つからです。

肝油
肝油 / Credit: ja.wikipedia

さらに、サメの繁殖スピードが遅いことも問題になっています。

サメは他の魚類に比べて成長期間が長いため、一度に大量繁殖しません。そのため、急激に捕獲量が増加すれば、サメの数は目に見えて減少してしまうのです。

スクアレンをサメ以外から入手する方法

そこで専門家たちは、サメのスクアレンの代わりになる方法を模索しています。

スクアレンは、オリーブオイルトウモロコシ油サトウキビなどにも少量ながら含まれており、これをベースに他の化学物質と合成して、ワクチンに使用できる補助剤の製造が計画されています。

シャークアライズのステファニー・ブレンドル氏は「もし世界中の人々が、新型コロナウイルスのワクチン摂取をスクアレンに依存すれば、サメの個体数に甚大なダメージを与えることは確か」と指摘します。

その上で「野生生物は持続可能な供給源ではなく、このままサメの乱獲が続けば、絶滅する種も現れるでしょう」と話しました。

コロナ収束のために、サメを犠牲にしないで済む方法は見つかるのでしょうか。

あわせて読みたい

SHARE

TAG