ワクチン開発でサメが消えてしまうかも
ワクチン開発でサメが消えてしまうかも / Credit: jp.depositphotos
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新型コロナのワクチン開発で「サメ」が絶滅する!?全人類へのワクチン摂取で”50万匹”が必要に

2021.01.27 Wednesday

2020.10.06 Tuesday

世界各地でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチン開発が進む中、予期せぬところに影響が出ています。

ワクチンの原料の一部となる「スクアレン」を得るため、サメが大量に捕獲され始めているのです。

スクアレンは、サメの肝油(肝臓内の液体)から抽出でき、免疫力を高める補助剤として使われています。

アメリカのサメ保護団体・シャークアライズによると、「世界人口78億人にワクチンを1回摂取するには約25万匹のサメが必要になり、2回摂取するなら50万匹以上のサメが消える」とのことです。

smithsonianmag https://www.smithsonianmag.com/smart-news/500000-sharks-could-be-killed-race-produce-covid-19-vaccine-180975973/ , dnaindia https://www.dnaindia.com/health/report-at-least-500000-sharks-could-be-killed-in-race-to-create-covid-19-vaccine-know-why-2846210

スクアレン1トンに”3000匹のサメ”が必要

9月29日時点で、COVID-19のワクチン候補は176個あり、その内の5つがスクアレンをベースとした補助剤を使用しています。

代表的なものに「MF59」があり、免疫細胞であるT細胞を活性化して、免疫力を増強する働きがあります。

一方で、1回の服用量あたり約9.75ミリグラムのスクアレンを必要とし、大量生産するとなれば膨大な数のサメを準備しなければなりません。

シャークアライズの計算では、1トンのスクアレンを抽出するには3000匹以上のサメが必要とのことです。

すでに複数のワクチン開発会社がスクアレンを原料として使うことを発表しており、サメの大量減少が懸念されています。

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