地球よりも生命に適した「スーパーハビタブル惑星」の候補が24個も見つかる!

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ハビタブルゾーン惑星。画像はKepler-452bをイメージしたもの。
ハビタブルゾーン惑星。画像はKepler-452bをイメージしたもの。 / Credit:NASA Ames/JPL-Caltech/T. Pyle
reference: phys

地球は私たちにとって唯一無二の惑星ですが、宇宙には地球よりも生命に最適な環境の惑星があるかもしれません

こうした惑星を「スーパーハビタブル惑星(英:Superhabitable planet)」と呼びます。

9月18日に科学雑誌『Astrobiology』で発表された研究では、スーパーハビタブルの基準を見直し、これまでに発見されている系外惑星の中からスーパーハビタブルの候補となる惑星を報告しています

この中のどこかに、地球同様生命を宿した星が存在しているかもしれません。

生命が居住可能なハビタブルゾーンとは?

Kepler-22星系と太陽系のハピタブルゾーンの比較。
Kepler-22星系と太陽系のハピタブルゾーンの比較。 / Credit:NASA/Ames/JPL-Caltech

ハピタブルゾーン(居住可能領域)というのは、主星のサイズや表面温度に応じて、惑星が表面に液体の水を持つことが可能と考えられる距離をあらわしたものです。

水は生命誕生に欠かせないものであり、この領域に存在する惑星は生命を宿す可能性があるのです。

もちろん太陽系のハビタブルゾーンを見ても分かる通り、この領域にあるからと言って確実に生命が存在できるわけではありません

天文学で使われるハビタブル(居住可能)という言葉は、単に生命をサポートできる条件が揃っていそう、という意味に過ぎない点は注意しなければいけません。

その上で、さらに生命に最適な環境というものを考慮し、地球よりも好条件と目される惑星がスーパーハビタブル惑星です。

スーパーハビタブルの条件

宇宙から見た地球
宇宙から見た地球 / Credit:depositphotos

地球上に複雑な生命体が誕生するまでには約40億年近い時間がかかっています。

私たちの太陽は、だいたい100億年程度の寿命ですが、もう少し低温の恒星では寿命はもっと長くなります。

恒星の寿命が伸び、活動が太陽より緩やかになれば、その分地球よりも生命誕生や進化のための時間は長く確保することができます。

恒星はその表面温度などに応じて分類され太陽はG型星に含まれますが、それより低温で穏やかなK型星の寿命は200億年から700億年もあります。

吸収スペクトルの強度、温度などで分類される恒星の種類。
吸収スペクトルの強度、温度などで分類される恒星の種類。 / Credit:天文学辞典

このためK型星の周りの方が生命誕生の条件としては、より最適な可能性があるのです。

しかし、惑星が歳を取りすぎると地熱を使い果たしたり、地磁気を維持する磁場が不足する可能性もあります。研究者の考えでは、生命にとっての最適な惑星の年齢は50億年から80億年のあたりだとされています。

スーパーハビタブルゾーンには惑星のサイズや質量も重要になります。

地球より10%程度大きい惑星は、居住可能な土地が広く持てるため好条件と考えられるのです。

また質量は地熱や大気の保持に重要な条件。質量が地球の1.5倍程度あれば放射性物質の崩壊により内部の熱をより長く保つことが可能であり、長い期間大気を安定して保持することができると期待できます

平均気温は地球より約5度程度高いほうが最適です。地球温暖化で苦しむ人類にとって、地球より平均気温が高いとか冗談じゃないと思ってしまいますが、生命の繁殖という観点で考えるならば、暖かく湿っている方が条件は良いことになります。

これは緯度の高い寒くて乾燥した土地よりも、赤道付近の熱帯雨林の方が生物多様性が高いことからもわかります。

当然水の存在も重要で、地球より少し多いほうが、雲の形成や湿度の上昇などで生命の存在をサポートしやすくなるでしょう。

これらが地球より生命誕生に最適な惑星、スーパーハビタブルの条件です。

現在スーパーハビタブル惑星の候補は24個

ハピタブルゾーン惑星「Kepler-20f」をイメージした画像。
ハピタブルゾーン惑星「Kepler-20f」をイメージした画像。 / Credit:NASA / Ames / JPL-Caltech

今回の研究チームが既知の4500個の系外惑星の中から調査したところ、スーパーハビタブルの条件を満たす可能性がある候補は24個見つかりました

これらの候補惑星は、スーパーハビタブル惑星の条件をすべて満たしているわけではありませんが、内1つの惑星では、重要な条件の4つを備えており、生命にとっては地球より好条件の可能性があるといいます。

こうした研究は、今後稼働していくNASAのジェームズ・ウェッブ望遠鏡や欧州宇宙機関のPLATO宇宙望遠鏡などの次世代望遠鏡が観測する候補を選定するために重要な情報となります。

「私たちは自分たちの繁栄した地球こそが最高の惑星と考えているため、スーパーハビタブルの原則を理解してもらうには難しい面がある」と研究チームを率いるワシントン州立大学のディルク・シュルツ=マクチ氏は語っています。

地球でも極限状況で誕生し生存する生命は数多く発見されています。それは生物多様性のために重要なものですが、だからといって、それが生命誕生の条件として最高ということではありません。

宇宙で生命を探すならば、極端な環境で生きられる生物を探すより、地球よりも快適な場所を探すほうが近道になるでしょう。

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