新型コロナウイルスはヒトの皮膚上で約9時間も生存する!”インフルエンザの5倍の長さ”

medical

手洗い。
手洗い。 / Credit:depositphotos

新型コロナウイルスの流行でウイルス対策として手洗いやうがいの重要性が再認識されるようになりました。

しかし実際皮膚やスマホなどの表面に付着したウイルスはどの程度生存するのでしょうか?

10月3日に科学雑誌『Clinical Infectious Diseases』に掲載された新しい研究では、京都府立医科大学の研究グループが新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスと比べて、ヒトの皮膚上長期間生存することを明らかにしています

新型コロナウィルスの皮膚状での生存時間の解明は、接触感染のリスクがある具体的な期間や感染経路の特定に役立つと期待されています。

新型コロナウイルスの皮膚上の生存期間

コロナウィルス。
コロナウィルス。 / Credit:depositphotos

新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」の感染拡大については、皮膚を介した接触が大きな要因になっていると言われています。

このため、手洗いや手の消毒が重要と言われていますが、実際「SARS-CoV-2」が人の皮膚上でどの程度生存するかについては、わかっていませんでした。

これは危険性の高いウイルスをヒトの皮膚に塗布して研究するということが難しかったためです。そこで今回の研究では、法医解剖の献体から皮膚を採取して、ウイルスの安定性評価を行ったのです。

また、この実験では「SARS-CoV-2」と「インフルエンザA型ウィルス」で比較も行っています。

その結果「インフルエンザウィルス」は、1.8時間ほどで不活性化するのに対して、「SARS-CoV-2」は9時間近くも皮膚上で生存していたのです。

ちなみに、新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」と聞いてウィルスの名前は「COVID-19」じゃないの? と混乱する人がいるかもしれませんが、新型コロナウイルスの正式名は「SARS-CoV-2」です。

「COVID-19」はこのウイルスによって発症する感染症の病名を指します。病名とウイルス名が違うことには注意が必要ですね。

さまざまな表面上での新型コロナウィルス

スマートフォンを初めヒトの触れるものに、ウィルスは長期間滞在する。
スマートフォンを初めヒトの触れるものに、ウィルスは長期間滞在する。 / Credit:depositphotos

また研究では、ステンレススチール、耐熱ガラス、プラスチックの表面上でのウィルスの生存時間も調べました。

その結果「SARS-CoV-2」は「インフルエンザウイルス」の8倍近く長く安定し続けることがわかりました。

これは別の研究で以前に示されたデータと一致する結果ですが、「SARS-CoV-2」は正しく消毒されない場合、室温では金属やプラスチックの表面で最大9日間程度生存することができます。

プラスチックも金属もガラスも、ヒトが頻繁に触れる機会の多い素材なので、注意が必要でしょう。

こうして見た場合、ヒトの皮膚表面はウイルスの生存には不向きな環境であることがわかります。しかしそうはいっても、皮膚表面上で、新型コロナウイルスが9時間も生存するという事実はかなり衝撃的な事実です。

「インフルエンザウイルス」に比べ、「SARS-CoV-2」はさまざまな表面上で長期間生存できるようです。これがこのウイルスの恐ろしい感染力の原因の1つなのかもしれません。

エタノール消毒は非常に有用

エタノール消毒。
エタノール消毒。 / Credit:depositphotos

研究では、エタノール消毒が皮膚上のウイルス除去にどの程度有効であるかも実験されています。

これによると、皮膚上の「SARS-CoV-2」は80%エタノールに15秒暴露することで完全に不活性化できると確認されました。

皮膚上で「SARS-CoV-2」が9時間近く生存することを考えると、これはかなり有効な感染対策になっていると見なすことができるでしょう。

新型コロナウイルスは想像以上にしぶとく危険であることが明らかとなりましたが、同時に今回の研究は正しく対処することでかなり感染リスクを軽減できることも示しています。

あわせて読みたい

SHARE

TAG